福島県教育センター所報ふくしま No.25(S51/1976.2) -022/026page
小学校社会講座
「歴史学習のすすめかた」「OHPの活用とTP作成」 「社会科における評価」など,授業に直結した講義や演習のほか,「福島県の地域開発」など専門的な研修内容を取り入れ,社会科教師としての識見と指導方を高めるようにした。また,―方,午前の講座を講義,午後は演習を中心にした研修にした。これらは,いずれも好評であった。次年度もより充実した講座となるよう努カしたい。
小学校算数講座
児童の発達段階と教材とのかかわり合いをさぐるため算数教育と学習心理にっいて解明をはかり,あわせて現代化の背景と性格を究明するために,集合,関数,確率等の教材の取り扱い方と指導法などについて研修した。参加された80名の先生方はいずれも積極的に研修にとりくみ,特に,TP作成などの実習や問題演習が好評であった。
小学校音楽講座
昨年度と同じく,「たて笛の奏法とその指導」や「発声と歌唱法」,「指揮法」と「合唱指導法」などの実技を中心としたものと,「日本の音楽の指導法」による指導内容の精選や教授法などの講義を中心とした講座内容であった。講義内容を改善し,より現場に密着した内容であ.つなため,共感を得,「小学校における音楽教育の重要性を再認識し,指導意欲がわいた。」などの意見が多く聞かれ,有意義であった。さらに充実していきたい。
小学校図工講座
この講座は,工作領域の実技研修を主とし(年間3回計90名),'直接現場に役立つものとして,紙工,たこ作り,石膏じかづけ,壁飾りをとりあげた。幅広く経験するということから,ともすると製作時間の不足がみられたが,講師の丁寧な指導と受講の先生方の勢力とが合致して,4点の作品ができ,その成果がみられた。次年度は配当時間を検討し,過重にならないように努力したい。
小学校体育講座
体育科教育について研修し,指導方を高めることを目的とするこの講座には,61名の先生方が参加された。「ひとりひとりをのぱす体育指導」,「教育機器の活用」,「児童の発育",発達」,「指導上の諸問題」,「体カの向上をはかる学習指導」,「保健指導と保健管理」などを講義や協議を中心に実施した。実技研修などへの要望もだされたが,予期以上の成果を収めることができた。
小学校理科移動講座
本年度は県内10会場を設定し,「溶解に関する教材,天体教材に関するモデル実験,磁石,力に関する教材,顕微鏡を使っての観察」を中心に,基礎的内容について研修がおこなわれた。全会場で約250名の参加者があり,先生方からは,明日の理科教育に直結するものであり,しかも「理科」そのものに自信が持てるようになったときわめて好評であった。
小学校理科講座
本年度も,男女別に前後期2回で10日間,計80名を対象に実施した。・前期は物・化・生・地それぞれの実験・学習と野外研修を,後期は,義務教育課花沢繁先生の講義と3領域に分かれての選択研修を中心に講座を行なった。特に選択研修では,日頃の学習指導で困難な教材について研修生が主体的にとりくみ,充実した研修を行なった。
小学校理科教材製作講座
この講座は,現場ですぐ役に立つ実験器具の製作と,その取り扱い方を習得することをねらいとしている。A・B・Cの各領域ごとに製作をし,実際にその器具を使って実験も行なったが,学校に帰ってすぐに児童が使えるように,6班又は12班分製作したのが好評であった。受講者40名,期間は4日でやや忙しかった感もあるが,反省記録等を参考にして充実した講座にしていきたい。
小学校家庭講座
9月,1月と2回,3泊4日の日程で実施し,延24人の先生が受講された。研修の内容は教材との関連をはかりながら「被服,食物,住居の科学的な指導ができる」ことを主眼として,せんいの鑑別・性能に関する実験,野菜の生食に関連する実験,すまいのくふうや教材研究の進め方について研修を行なった。先生カは熱心に試験機器にとりくまれ,よい成果をあげられた。
小学校教育相談講座
本講座は,教育相談の基礎理論の研究と教育相談の推進を目的として実施した。内容としては,1)教育相談の問題点 2)事例研究法と口ー・プレーイング
3)Y-G性格検査法 4)ソシオメトリック・テスト
5)児童期の精神障害などである・。反省として,小学校は,中学校・高等学校と比べて,教育相談についての理論と実践が十分でないように思われた。