福島県教育センター所報ふくしま No.26(S51/1976.6) -015/034page

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 直前がよいことを理解させるのに効果的であった。

  1.  ビタミンCの検出実験では,目にみえないビタミンCを視覚にとらえさせることができ,児童たちの心に強く印象づけることができ,ビタミンCと調理操作との関係を理解させるのに効果的であった。
  2.  野菜サラダを作る上でたいせつな場面をとり出して実験したことにふれ「なぜ,そうしなければならないか」理論のうらづけが明確にされ.学習上新鮮味が増し,活発に意欲的な学習がみられた。

 以上のことから「生野菜の調理において,ビタミンCの調理上の性質を理解させるには,ビタミンCの検出実験をすれぱ,印象的に児童の心に残り,学習効果は高まるであろう」という仮説に基づく指導は効果があったものと考えられる。

5. 反省と問題点

6. 参考文献

     教育研究法序説    (福鳥県教育研究所)

     小学校指導書 家庭編  (文部省)

     教育研究の実践    (福島県教育センター)

     研究報告書       (福島県教育センター)

 

 

 

総合的な判断力を伸ばす道徳の時間の指導

いわき市立三和中学校

 高  萩  貞  弘 

1. 研究の趣旨

 本校の現職教育の研究主題として,「基本的な思考力を養う指導」が取りあげられた。その設定理由は,「買い食い」や「非能率的な学習への取り組み方」など,生活と学習の両面にわたる「学習訓練の不足」に起因する問題を生徒の実態としてとらえたことによる。

 これらの実態を道徳の間題としても取りあげ,「どのような考え方や心情をもってすれぱ,解決できるか」を道徳の時間を通して,広い立場からのたしかな判断をめざした「総合的な判断力を伸ぱす道徳の時間の指導」の方法の問題としてとらえ,これを研究することにした。

 また,これらの実態を道徳の問題として,より的確にとらえるために,「田研式・道徳性診断検査」を行い,次のような結果を得た。

表(1)<領域別・道徳性偏差値別員数のバラツキ>
偏差値\領域  自己  家庭  友人  社会 
  • 実施年月日 昭和50・4・5
  • 対象と傾向 1学年51名で1,2組の傾向類似
 
55〜99  16人  27人  33人  28人 
0〜50  35  24  18  23 

 表(1)の「自己」の領域に問題が含まれているとみられることから,更に,自己の領域における問題と回答から,次の問題が,生徒の実態内容として,とらえられた。

  
表(2)〈選択肢4例から,○×で各1例をえらぶ>
問題\内容  誤答率 

<問3>(先生が「少しむずかしいけれど,やって見なさい。」といって,出題しました。)

<問6>(太郎さんは,野球部員です。主将と気が合いません。)

 
問3  96% 
問6  84 

 表(2)の(要約した)間題内容を分析してみると,間3には,(むずかしい間題なんて「やってもむだだ」)と「一元的」な受けとめ方をしており,間6に対しては,(しかたがないから「いやいやながら」やる。)と,自已だけの間題として「独善的」な受けとめ方をしている。

 以上のことから,自己の可能性を期待して,努カしよ うとしたり,集団の意義をよく理解して,積極的に間題解釈に取り組もうと努めるなど,広い視野からのたしかな方向性をもった総合的な判断力の伸長が要求される。

2. 仮 説

 (1) 仮説のための理論

 生徒の実態分析の結果から,「総合的な判断力を伸ぱす」ためには,主題に関連する諸価値を,いかに,生徒自身に認識させるかにあると考える。その手だてとして,「中心価値を探究する過程」の中で,関連する諸価値に気づかせ,生徒が持っている価値認識をよりたしかな方向性をもって広め得るように,異なった観点から思


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