福島県教育センター所報ふくしま No.28(S51/1976.10) -024/026page
研修こぼれ話
セ ン タ ー の 灯 よ,い つ ま で も
当センターの研修講座も開設以来6年目ということで,受講される先生方もなれた方が多くなってきておりますが,それでもまだ,はじめてのセンター宿泊の先生も多いようです。
従来の4泊5日が3泊4日になって好評ですが,反面宿舎でともにくらした研修仲間との別れを惜しむ声も多く,帰りぎわに再会を約したり,文通の約束を交したりという風景が以前にもまして多く見られるようになりました。
そうした風景を象徴するエピソードを紹介します。
題して,「ああ,センターに 友情の灯がともる」というお話しであります。
6月29日から7月2日にかけての中学校美術講座は,木工研修,いつものことながら,美術関係は製作,工作が多く,それも3泊4日のうちに仕上げることになるから朝はやくから夜おそくまで精を出すことにあいなる。
この時の木工は積層といって,ベニヤ板を段層ごとに切り抜き積み重ねて,容器をつくる技能研修である。教えあったり,助けあったり,みごとな協力ぶりが展開され,そのうちに心の通い合う仲間意識が育つ。
そのおひとりであった福島市立西根中学校の佐藤登先生は,その感動を次のような詩に託し,センターに残されていった。
> セ ン タ ー 夜 曲 <
1.宵の灯 ともす
センターの 夜は
手品談義に 時すごし
飲んで 育てた 友情は
ペーパーナイフで 切れはせぬ
2.積層,積層で
追いたてられて
ひとつ作った お手てのマメを
仕上げた皿に ちょいと入れ
故郷の ワイフの お土産に
(西根中 佐 藤 登)
これを,大谷所員から見せられた星第1研修部長は,いたく感激。
音楽担当の古関所員を口説きおとして,ついに名曲の誕生を見ることになったのである。
一度こられたことのある先生方は,この歌をうたってセンターの夜を思い出してください。そして,これからおいでになる先生方は,この歌をおぼえて,宿舎で大いにうたい友情を深めてください。
ひとつの歌が,福島県全体の先生方に友情の灯をともし,ともに教育の道を手をたずさえてすすんでいけるよう,この歌を食堂の入口にかかげることにしました。