福島県教育センター所報ふくしま No.30(S52/1977.2) -013/026page

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学習意欲を育てる授業の観点の確認

(1)子どもひとりひとりを充分理解した授業であったか。
(2)既知を土台に未知を開く授業であったか。
(3)学習の仕方が訓練され教師対児童の一間一答におわらず,児童対児童の問答にまで発展するような能動的なものであったか。
(4)児童自身,真理や内容を自らのものとすべく追究する意欲に燃え発見的に問題にとりくむ授業であったか。
(5)教育機器の活用が正しく,用具にふりまわされず用具を活用する授業であったか。

<一次調査> (問題点把握のための調査)

 現在すすめている研究組織は学年中心に行われているが,この研究組織での効果について検討するため,次の二面より調査する。

(1)学年主任に対して(自由記述法)

 現在すすめている研究についてさらに効果的に運営したいので,次の項目におこたえください。

1 研究主題,仮説について

 (問題点) 本校研究主題が各教師に明確にとらえられているとはいえない状態であることがわかる。

2 研究計画,手順について

 (問題点) 全体計画をさらにしっかりしたものにすること,課題委員会や教科研究部の活動に対しては不満を感じている。これからはさらに課題委員会の役割,教科部会の役割をあきらかにしていく必要がある。

3 組織,運営について

 (問題点) 学年中心の研究効果を認めている。課題委員会の指導性を期待していることがわかる。

4 研究計画決定までの手順

 (問題点) 研究計画の共通理解の手だてに不満があり,課題委員会の機能にも疑問を持っていることがわかる。

5 研究意欲について

 (問題点) 研究意欲はあるが,行事等の関係で腰をすえて研究できない悩みをうったえている。個人差,学年差が大きくなって来ていることも指摘している。

6 研究協議における意見の交換や深まりについて

 (問題点) 時間が十分確保できない悩みがでている。

7 共通理解を深める職員間新聞の発行について

 (問題点) 効果を認めている。編集について一方的であるとの指摘もあるのでこの点の改善が必要である。

<問題点の考察>

 全体計画を明確にし,課題委員会,教科研究部会の指導性を強化し,全体での討議の時間を多くとるようにすることにより効果的な研究をすすめることができそうである。なお職員間新聞の効果も認めているので共通理解の場として積極的に活用すべきである。

(2)学級担任に対して (選択肢法)

1 主題と研究内容について

○ あなたは本校の研究について,研究のねらいや内容がよくわかりますか。

 ・よくわかる 6名,少しわかる 9名,わからない 2名

○ 本校の研究は学年が中心になっているが,ほかの研究組織を考える必要がありますか。

 ・必要ない 13名,必要あり 4名

(考察)研究組織について,必要ありと答えた内容は課題委員会の強化を求めているものであるので,現状でよいということになる。

2 共同研究について

○ あなたは学年研究について積極的であったと思いますか。

 ・積極的であった15名,あまり積極的でなかった 2名,積極的でなかった 0名。

○ あなたは学年研究や計画の進め方について意見や関心を持っていますか。

 ・もっている13名,少しもっている 4名,もっていない 0名。

○ 学年研究をする場合積極的に意見をのべ提案しますか。

 ・します 11名,よい意見や提案があるときします 5名,あまりしません 1名。

(考察)共同研究について積極的に参加し研究しているようすがわかる。

                                                ヽ

3 研究授業について

○ あなたは他人の授業研究にのぞむとき事前に指導案を検討しますか。

 ・かならずする 9名,ときどきする 8名,ほとんどしない 0名。

○ あなたは他人の授業研究にのぞんで,その結果の処理をどうしますか。

 ・たんねんにメモする 4名,問題点のみメモする 13名,ほとんどメモしない 0名。

(考察)指導案をよく研究して授業にのぞんでおり,研究意欲がうかがわれる。

4 共通理解の手だてについて

○ 新聞で共通理解を深めようとしていますが,効果があると思いますか。

 ・効果的である 13名,改善していけば効果があがる 4名,効果がない 0名。

(考察)新聞の効果を認めている。人間関係の醸成に役だつことも認めている。研究における共通理解につ


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