福島県教育センター所報ふくしま No.30(S52/1977.2) -015/026page

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る」 (8名)

 (ウ) 研究会のための指導案づくりばかりでなく,週一回くらいは学年でなければわからない共通話題について話し合い,研究を深めたい。行事におわれ話し合いの必要性を感じていてもどうにもならなかったのでこの点を改善したい。 (4名)

 (エ) 学年中心という研究組織はよいと思うが,学年があまり主体的になると主題との関連や全体としての研究をまとめるのに困るのではないか (1名)

エ 11月までに5回行われた校内研究会の経過を検討し,2月10日の研究公開のあり方として,課題研究委員会,学年主任合同会で学校テーマにせまるためには「全員指定授業とし,学年ごとに分科会を持った方が効果的である」と判断し決定したが,この効果的な運営についての意見をおきかせください。

 (ア) 研究の中心が学年であるので,分科会も学年ごとになったのは当然である。ただ昨年のように研究主題に対する解説的な説明まで学年にまかせるのは困る。学年ごとの分科会では学年の子どもの発達段階や実態をふまえて,学年としてどのようにテーマにアプローチすることができたかが話題の中心になるような会の運営の仕方をくふうする必要がある。 (2名)

 (イ) 国語科と算数科の公開になるのだから,教科ごとの分科会を考えてはどうか (1名)

 (ウ) 別になし (15名)

オ 研究公開は国語科と算数科の全員指定授業となるが,この方法で運営する場合どのような点に特に注意して運営したら効果的に主題にせまれるか意見をおきかせください。

 (ア) 本校の研究テーマで教科性を打ちだしているのはサブテーマであり,たいせつなのはメーンテーマである。教科性をあまり表面にださず,メーンテーマの精神が国語科,算数科の指導過程にどう生かされたかということがたいせつであると思う。児童と教師の実線把握から地面に足をつけて出発し,つまずいたら文献にあたり,理論が先行する研究でないように心がけたい。 (6名)

 (イ) 私たちの研究を検証するのは授業以外にはない。研究の効果的運営は授業を通して納得してもらうことである。 (3名)

 (ウ) 各授業とテーマのつながりで,「何を検証しようとしているのか」さえはっきりさせてのぞめば,運営はむずかしくない。 (1名)

 (エ) 教材の面,指導の面において「ここまではできたここからはできなかった」といったことをはっきりさせる話し合いにしたい。「よかった」といった感想の出し合いにおわらないようにしたい。 (4名)

 (オ) 指導案は学年にまかせるのではなく,国語研究部算数研究部で一度は目を通す機会を持ちたい。 (4名)

 以上の結果から,他の学校行事を持ちながらではあったが,校内研究を重ねるごとに主題に対する考え方や指導に対する意欲がわいていったことがわかる。

 特に校内研究会における学校長をはじめとするよき講師にめぐまれたことが,研究主題の持つ意味について深く理解させられる結果になった。一次調査と二次調査では意識に格段の差があるように思う。これには,毎週共通理解を深めるために発行してきた職員間新聞の効果もきわめて大きかったと考えられる。

見とおしにたちかえって考えると,

(1)主題の設定が全部の教師にとって共通の関心事であり,かつ必要性のたかいものになっていれば研究が効果的に行われるであろう。

 本校の先輩達が行った研究資料を再検討し,10年間つづけてきた「学習意欲を育てる教育」の精神を理解することができ,研究が効果的に行われている現状であると思う。その中で国語科と算数科を窓口として,テーマにせまるという確認のもとに毎日の授業が行われている,ということが研究の収穫の一つである。

(2)研究組織や運営を明確にし,共通理解を深めるよう,コミニュケーションをすれば,研究意欲を高めることができるであろう。

 このことについては,学年中心の研究組織は学校規模からも適切であり効果をあげている。しかし,反面で教科研究部会の活動を十分生かせない面や,学校テーマヘのせまり方でくふうしなければならない面もでてきているが,研究意欲の高まってきていることは,調査結果からあきらかである。毎週,人間関係の醸成と研究内容の共通理解を深めるために発行してきた職員間新聞の効果があらわれていると思われる。

(3)授業の組みたてについて理論づけをし,本校の研究主題の授業での具現化をはかる。

課題(展開の核)として何をおさえるか,授業の節としておさえるものは何か,授業の結晶点は何か,その内容や範囲についておさえたので研究が焦点化された。

5.今後の問題

(1)研究の中心を学年におき研究を進めてきて「効果的な運営ができた」との反省もあるが,教科研


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