福島県教育センター所報ふくしま No.30(S52/1977.2) -022/026page

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意欲を高めるようにする。

  3 学級成員ひとりひとりの責任分担を明らかにし,個人の自主的活動を促す場と機会をより多く用意し,内的充実感を深めるようにする。

(2)研究の方針

  1 基本的な学習訓練の再検討

  2 グループ日誌や係活動を積極的にすすめる。

  3 生活ノートによる家庭学習計画の適切な助言

  4 学級成員,全員が何らかのリーダーとなるように配慮し,フォロワーシップを育てる。

(3)実践経過の概要

  1 学び方を育てる学習訓練

 学習方法をみにつけよう

 教室が明るく、楽しい、意欲的な、なんでも言える雰囲気でなければなりません。そのためには1人1人がかけがいのないすばらしい人間としてお互いの立場を認め合い、つねに協力し合ってお互いが高まっていこうとする態度がぜひ必要です。この態度をつねに育てながらどの教科でも次のことに心がけましょう。

 

発表のしかた

聞きかた

質問のしかた

授業前

1.次時の学習の準備をととのえ,始業2分前に席につき始業開始を待ちましょう。

2.以下略

授業中

(個別)

1.聞き手の方を見て話す。

2.ことばづかいをていねいに,みんなに聞こえるように話す。

 ・ゆっくり,はっきりと

3.わかりやすく順序よく話す。

 ・私は〜について発表します。

 ・ぼくは〜だと思います。その理由は〜だからです。  以下略

1.話し手の方をみて聞く。

2.要点をメモする。

 ・疑問点 ・問題点

3.相手を尊重し,真剣にきく。

4.何をなんのために話しているのか考えながら聞く。

 

 

 

 

 

1.右手をあげ,ひじをのばし,きちんとあげ指名されたら「はい」と反事をし起立して質問する。

2.不明な点や疑問点を質問する。

 ・〜についてわかりませんでしたのでもう一度説明してください。

 ・〜について私はこう思います。

  以下略

   

 

 

授業中

(集団)

1.グループの意見をまとめて発表する。

2.訂正すべき所,補足する所は簡潔に話す。 以下略

1.自分達のグループの意見とどこが同じであるか,まちがっているかに注意してきく。  

 以下略

1.疑問点を明らかにするということに重点をおき質問する。

2.私は今の意見に反対(賛成)です。 以下略

ノートのとり方 1.形式は教科の指示にしたがう。

2.学習した月日を記入しておく。

3.重要事項には,はっきりした印をつける。

4.予習事項の訂正は消さないで赤で記入する。     5.以下略

  2 学び方を育てる生活ノート

 生徒各自が記入する生活ノートは,生徒ひとりひとりの考え方や行動を理解するうえに非常に役立っている。本校では6年前から本格的な活用に入り,本年度は週の生活面,学習面の目標をはっきりさせ,その実行を促すように改訂した。

 形式はB5版,表紙は生徒から募集したデザインからなり,生徒の信条,詩人草野心平書の校歌,校舎全景の写実,各教科学習の手びき,記入例などがあって,生徒の記入する部分は一週1ページとなっている。

 この記録によって,生徒ひとりひとりの毎日の生活,学習の様子がはっきりとわかる。また個人的な悩み,交友問題,家庭学習の実態,家庭内の動行など,きわめて多岐にわたって知ることがで、き,生徒や家庭の,ものの見方,考え方を理解するうえで貴重なものとなっている。

 指導の場と機会としては週2〜3回をめやすとしているが,毎日見ている学級もある。このノートを媒介として,休み時間や給食の時間などを利用して個々に話しあったり,共通する問題については,学級会活動・学級指導・道徳の時間の資料として利用されている。さらにこのノートの中から研究協議会の話題となったりすることも少なくない。

 生徒もこのノートを使用するようになってから次のようなことをいっている。

ア 生活・学習に計画性が出てきて,実践カがついてきた。

イ 学習の悩みを積極的に相談するようになった。

ウ このノートを私の宝物としたい。

エ 先生のことがよくわかるようになってきた。

オ 時間のむだが少くなってきた。

 しかし問題も多くある。例えば,記録のマンネリ化,助言のしかた.無関心な親への指導とさまざまであるが,教師自づから常にきびしく生活し熱意をもって当たる以外に解決の道はないように思う。

  3 学び方を育てる生活グループ

 グループ活動を学級集団づくりの必要不可欠の手段と考えているが,その主なねらいとして,

ア 基本的な生活行動様式及び学習訓練をグループの中で育てる。

イ 生徒相互の緊密なコミュニケーションを図りよりよい人間関係をつくる。

ウ 集団の中での自分を学ばせるとともに,集団の一員としての自覚を高める。

エ 知的情報交換を組織的に行なわせる。

オ 小集団の連けいによって学習効果を高める。(発表・協力・共同)

 グループの編成基準としては,男女混合4〜5人を原則とし,生徒会専門部活動,係活動及びソシオメトリー等を考慮して,能力面でのかたよりが少なくなるように生徒と教師が一体となって(学級運営委員会)編成している。

・ 生活ノート及び生活グループに対する生徒の声

調査項目

1 毎週生活面,学習面の目標設定は適切でしたか 図1
2 その目標はほぼ達成されてますか 図1
3 達成されなかったとき,次週で努力しましたか 図1
4 計画には,むり,むら,むだはありませんか 図1
5 生活ノートを毎日の生活に生かせましたか 図1
6 各教科の手びきは参考になってますか 図1

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