福島県教育センター所報ふくしま No.30(S52/1977.2) -024/026page
1 所属員が共通の目標をもっている。
2 個々の生徒がグループの中での居がいを感じ,連帯感をもっている。
3 各自がはっきりした役割をもっている。
4 何んでもいい合える関係が保障されている。
以上の条件を有効に満たすのは,生活グループであると考えている。しかしわれわれは集団を育成することが目的ではなく,あくまでも,個々を大切にするような集団を育成することであることを深く認識している。
ア ある日のグループ日誌から
我が班のグループ新聞は今だに未完成なのだがこういう面に我が班の無協力がまざまざとでていると思った。
この前の当番の時,その前の時もだいぶ悩みがましいことを書いていたし,またそれらを自力で解決しようとしなかったことを後悔している。話しは一変するが真の友人あるいは友情を僕らはどこに求めたらいいのかわからない。
このきぴしい世の中にそんなものを求めるのは,「バカ」だなんていわれそうだが,やはりそういうものは必要だと思う。それにそれをなくしたつきあいなんてどれだけつまらないか,はかりしれない,互いに真の自分を明かせられないならそんなものは人間のつきあいにあたいしないと思う。例のように,友人間の悩み,個々の悩み,グループ全体の問題等を,生徒なりに解決への努力をしている様子が継続されて記録されている。(教師のはげまし,認める,ほめるを基本とした助言によって)。
イ グループ学習に対する生徒の声
・話し合いによって友人もでき,友情も深まってよい。
・わからないところをお互いに教えあい,納得できるようになった。
・競争心がわき,はげみとなっている。
・学習面だけでなく,生活面でも楽しみがましてきた。
ウ グループ学習に対する教師の声
・協力学習が積極的になり,下位生徒も活発に学習活動をするようになってきた。
・上位生徒は下位生徒に対し積極的に援助するようになってきた。
・学習意欲も高まり,理解の深まりもでてきた。
・生活面でも責任感や自覚がみられるようになってきた。
・リーダー養成が課題
エ 学び方を育てる指導過程の改善
「学び方学習の指導過程はどうあればよいか」
この問題は,われわれがこの研究に入った当初からの課題であり,未解決のところでもある。
あるいは当初われわれの考えた方向での解決は無理なようにも思われてきている。
過日の研修会でも,全職員がこのテーマにそって指導案を作成したが,これといった方向をつかめるまでには到らなかった。
その理由を要約すると「教材が異なり,発達段階も異なり,所要時間もっそれぞれ異なっているからである」ということである。こんな悩みの最中に名大名誉教授,広岡先生の考え方を雑誌で拝読しひとつの方向づけとして研究をすすめている。
すなわち先生は,「教材・発達・時間数などの諸変数に応じて,過程段階は最適化されねぼならない」ということである。
現在本校では,この考え方をひとつの方向とし教科部会を中心として研究をすすめて本校の実態に則したものをみつけようとしている。
・ 本校の指導案の概要
1 題材名
2 題材の目標・一般目標・具体目標
※実態をふまえ目標分析を行い,その到達度を行動目標で表わす。
3 指導計画
単位時間ごと,三段階(上・中・下位グループ)にわけて計画をたてる。
4 学級の実態
・ 学級の一般的な実態
・ この題材についての学級の実態
5 本時の目標・具体目標(行動目標で表わす)
6 教材の関連・関連分析(・構造分析)
7 学習=指導過程
A 認知過程面
・ 事実・情報を観察し収集する
・ 予測や仮説を立てる
・ 活発発展させる
B 計画過程
・ 学習意欲を持つ
・ 学習計画を立てる
・ くふうしながら学びとる
・ 反省し評価する
C 集団過程面
・ 学級集団の中で学ぶ
・ 小集団をつくって学ぶ
・ ひとりで学ぶ
A.B.C中から選び出し,最適化を図る。
5 おわりに
研究の成果といって述べるには時期早尚であり,また計数化もしにくい。かといって単なる印象で評価することも危険なことである。この意味で毎年夏季休業中に各