福島県教育センター所報ふくしま No.32(S52/1977.8) -010/033page

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ある受付係りの話から

( コード化にふれて )

第三研修部 金 澤 義 夫

 「受付」はその組織の顔であり,ときには組織のセンスを代表する。

 たとえば,ひとつの行事ですら司会を重く,受付けを軽くあつかうような役付けをすると,進行の流れにつれて全体がギコチナクみえてくる。

 「役割」とは,そこに期待するものがあって生じたものであろう。ならば,期待の糸を切らせないように,思いやりで役付けをきめよう……。

 それがまた組織のすがたかも知れない。役割はあってもバラバラでは,役は気楽でいいが組織は荒れる。荒れた組織は保身にこもりながら腐っていく。

・ ・ ・

 という話しがあって「受付」を担当したグループは期待システムにもとづき,つぎのような話し合いをしたという。

某A 来賓室に案内したいにも,来賓の顔をしらない。
   困るな。
某B 案内状に番号をつけ,受付名簿番号に今わせる
   ……という割符型はどうか。
某C 投票日の「投票所入場券名簿番号」のようにす
   るわけ。
某A 人間を番号で動かすのか。
某C それは……手続きとか,見分けのためだ。
   名前も記号なら番号も記号だろう。
   ちょう度,生徒に質間するとき,番号をつかう
   ときがある。でも名前の気持で呼んでいる。
   あの気持で使用する。
某B だから,受付だけの処理で,その方に「**番
   ですね。**番さんはあちらへ……」という言い
   方はよくない。
某C 手続き上の番号としては区別が大切だ。だから
   名前と番号が一対一対応でなければならない。
   これで同姓同名によるミスはなくなるだろう。

・ ・ ・

 かくして,行事は終ったが,その後の反沓会で「受付係」からつぎのように,手続き番号による方法の改訂案が示されたという。

 番号による方法 ( 以下「コード化」とする ) には,つぎのような機能をもたせたい。

(1) 区別の分類を,もう一段くわえた方がよい。
    1:来賓    2:PTA
    3:同窓会   4:本校の先輩教貝
として,上記の1〜4を名簿上の手続き番号と組み合わせて用いる。

07
* 上記の区別
* 名簿上の手続き番号

のようにコード化すれば,名簿の追加,変更作業……それに受付けの窓口区分にも便利である。

(2) 提案として,このコード化による処理方法は,ほかにも活用できないものか

・ ・ ・

 「受付」における手順処理の便法は,コード化による処理の便利性をあらわしている。

 そして,この受付係からの提案により後日「多孔式カード」の開発がもたらされたという。

「多孔式カード」

のように,画用紙の上面に孔をいくつかあける。孔は経3〜5o位の針金が,同じ位置の孔を数枚通せるようにあけられている。

 孔と項目を約束しておけば「2年生の女子で,片親の生徒は何人か」という場合は

   調査事項をみながら,まず(孔2)を針金で
  通して2年生を釣りあげ, (紙を抜き上げずに)
  すぐ(孔5)を針金で通してから(孔2)の針
  金を引き抜き,つぎに(孔7)に針金を通して
  (孔5)の針金を引けば,残紙枚数が求めると
  ころの調査数になる。

という具合のものである。

 この方法は「項目」すなわち(孔)の数をふやせば,更らに種々の調査に応じた集計値が得られよう。

 こうなると,孔の位置が左・右の側面にあってもよいことになる。

 なお,カードをどうしても抜き出さねばならないときは,カードの左(または右)上部に連番号を記入してもとどおり紙を整理できるようにしておけばよい。

 このようなカードは市販されているものがある。しかし学校内で共通する統計用のためならば,項目を工夫した自作の方がなじめるように思える。

 さて,この多孔式カード法によつて統計的処理を行う場合には,つぎのような事項を知っておくとよい。

 コードによって処理するとき


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