福島県教育センター所報ふくしま No.32(S52/1977.8) -011/033page
(1) ちがった備品名に同じコードをつけていた。
(2) 新規購入備品のときは,ただ「つづき番号」をつけただけ。
(3) 「進学」……と,ひとつの項目に限定しないで,方向を2〜3に分類しておけばよかった。
(4) また,分類はしてみたが,
25 A * … 机のコード * 教卓(もしBならば生徒用机のつもり) のように,コードの構成をその場だけで処理していた。
というような失敗をすることが多い。
このような失敗の原因は「コード・ブック」を作っておくことによって防ぐことができる。
・ ・ ・
コード・ブックは,コードを管理するための原簿であると同時に,項目をコードに変換するための手引書ともなるものである。
コード・ブックはいったん決めたら安易に変えるべきものではない。
コードが安易に変更されたり,改正されたりして,その情報が共通理解の上で伝えられないと,日常の分掌作業におよぼす影響が大きい。だから適切な管理が必要になってくるわけである。
普通は.コード管理規程をつくり,規程にもとづいてコードの削除や新設そして変更などを管理している。
したがって,このコード・ブックには,つぎのような内容を盛込んで作成されるのである。
(1) コードの目的
コードのねらいや使用範囲をあきらかにしておく。
(2) コードの定義
コードの特長や構成,コード化の規則などを説明
しておく。
(3) コード新設要領
コードを追加するときの要領を説明しておく。
(4) コード表
コードの一覧表をそえておく。
(5) コード・ブックの改訂の仕方を示しておく。
(6) コード・ブックの作成者,承認者,管理者,配布
先などを記録しておく。
コードは,そのコードを使用する組織にとっては情報交換の約束事である。約束が安易に,いつとはなしに変ったりしたのでは伝達網の役目は成り立たない。むしろ効能はマイナスの結果をまねくことになる。
それだけにコードの管理は大切なもので,多数によって承認されるような機構が求められてくる。
「インディアン,うそつかない」そして のろし のあげ方を勝手に変えたりはしなかった。
前述に「ちがった備品名に同じコードをつけた」ことをあげたが,いうまでもなく,コード化に誤ちがあってはならないのである。
けれど,人間の手仕事である以上,まったく誤ちのない作業も考えられない。
そこで,下記のような防止法を周知しておくことが望まれてくる。
(1) コードづくりの約束を複雑にしないこと。
(2) けた数を余りながくとらないこと。
(3) コード・ブックをキチンと作ること。
(4) 関係のあるコード表を作業場にも眼に入りやすいように貼っておくこと。
(5) 誤ちの再発生がないように関係分野ごとに訓練をしておくこと。
(6) コードはゴム印をつかい,手書きはなるべくさけること。
(7) 固定している数宇は印刷しておいてもよい。
(8) 誤り発生のときの連絡先とか,原因究明のための手続方法などをハッキリさせておくこと。
(9) コード化したとき,またはコードをはじめて使うときは「コード化そのものの誤り」,「コードの誤認」,「コード記入や変換の誤り」をチェックする姿勢を失わないこと。統計処理に限らず,はじめのコード化に誤ちがあればその影響は時間とともに増大していく。
ときには,ある程度,処理のすすんだ時点でコードからくる不調に気がつき,莫迦げた時間を費して,なんとタッタ1個のコード化ミスを発見することさえある。
それだけの労力をかけるのならば,はじめのコード・チェックにこそ十分な時間と注意をそそぐべきであった。
そんな次第からか,ところによっては誤り防止に加えその検出方法を準備しているグループがある。
・ ・ ・
「誤リの検出方法」の例をあげてみよう。
(1) 当然,人手による検査がある。
それは,前述の調査事項を表にして
一行づつたどりながら1〜の各調査事項を前述のように針金の挿入出によって集計値を求めていくわけだが
-1- 原票のチェックを担当者により検査する。
-2- コード化作業の時点で原票と再読照合して読み合わせること。
-3- 孔を通してミス開孔をしらべること。