福島県教育センター所報ふくしま No.33(S52/1977.10) -006/026page

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 そこで次のような方法で実験を行った。

(準備)

 ビーカー(200ml),大型バット(深さ10cm以上),黒色ビニール,温度計,培養液(ハイポネックスO.1%〜0.5%まで),蒸留水など

 ※ハイポネックスは水溶性の肥料で園芸店などで販売している。

(方法)

(1) 観察材料を置く場所は日当りのよい窓側にし,水温は,同じになるように大型バットに水を入れその中にそれぞれの培養液を入れたビーカーをおき,ビーカーの位置は測定ごとに変える。
(2) はじめに入れるウキクサの葉状体の数は3個体とし大きさ,外部形態をそろえる。
(3) 個体数の測定は2日目ごとに行い,出芽した葉状体はどんなに小さくとも肉眼で認められるものは数に入れる。そのとき,ビーカーの水温も測定し,同じであることを確認する。
(4) 培養液は水面やウキクサの根に藻類が繁茂したとき全部交換するようにする。


大型バットの中に並べた培養器

      大型バットの中に並ぺた培養器

(結果)

(7月中旬)
日 数 0 3 4 5 7 10
蒸留水 3 6 6 6 8 9
水道水 3 11 14 14 19 20
田の水 3 9 13 15 17 22
ハイポ0.1% 3 11 16 21 38 60
〃   0.2% 3 9 14 19 36 58
〃   0.3% 3 13 17 19 29 38
〃   0.4% 3 9 13 16 20 21
〃   0.5% 3 7 8 11 14 15

この結果から,ウキクサの増殖成長と肥料の関係を調べるには,蒸留水と田の水(池の水),あるいは,水道水を使用するときは,ハイポネックス0.1%液との比較がよいことがわかる。またハイポネックス0.5%以上の培養液を使って,植物の成長には適した肥料の濃度があることを理解させることもできる。

蒸 留 水
蒸 留 水
水田の水
水田の水

ハイポネックス(0.1%)
ハイポネックス(0.1%)
ハイポネックス(0.5%)
ハイポネックス(0.5%)


3. ウキクサの増殖成長と日照時間の関係を調べる実験

植物の成長が日照時間に影響されることは第4学年のジャガイモで学習している。ここでは水草について調べ植物の成長と日光の関係について一体的に理解させることがねらいである。ここで大切なことは,日光以外の条件を同じにする実験装置を考えさせることである。

ウキクサの成長と日照時間の関係を調べる装置       
ウキクサの成長と目照時間の関係を調べる装置

培養液は成長のよいハイポネックス0.1〜0.2%を使用するのがよい。また,温度の条件を一定にするには,水そうを金網のようなもので仕切りをつくるようにする。仕切った両側に温度計を入れ,測定ごとに,両側の温度が


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