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4) |
平易な5度以内の曲でも,二重奏のひびきとアンサンブルの楽しさを味わわせる。 |
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5) |
たて笛の3度や6度のひびきは特に美しいのでよく感得させる。 |
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6 |
ノン・レガート奏,レガート奏,スタカート奏などのアーティキュレーションをつけて,曲趣にあった表現ができるようにする。 |
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7) |
副旋律やリズム伴奏をくふうして,楽しいアンサンブルができるようにする。 |
指導例(3年)題材 はちがとぶ (ボヘミア民謡)
ねらい レガート奏やスタカート奏をつけて美しく表現する。
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1) |
タンギングをつけて美しい音で二重奏ができるようにする。 |
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2) |
Bの部分は指使いがむつかしいのでゆっくり練習をする。(初歩の運指の練習に最適) |
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3) |
この曲のなかでレガート奏やスタカート奏をどこに入れたらよいか思考させる。
レガート奏やスタカート奏は,初歩の段階から身につけさせる。
児童から意見がない場合は,教師がいろいろの奏法で吹いてみて,児童によいものを選ばせる。
選ばれた奏法で何度も練習し,3つの奏法の違いや表情の違いを感得させる。また他の曲に転移できるようにする。
例
ソプラノ笛2にも同じアーティキュレーションをつけて二重奏の美しさに気づかせる。
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4) |
リズム伴奏のくふう。
既製のリズム伴奏もあるが,児童がくふうしたものを大切にする。
ABAの形式でAのリズム伴奏,Bのリズム伴奏と変化を考え音楽的に意味づける。
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(3)高学年
高学年のアンサンブル学習は,たて笛の音域も拡大され,奏法もしっかりしてくるので,より高度な音楽的なアンサンブルが可能となってくる。またアルト笛を加えることによって中音域の豊かなひびきと,たて笛独特の純粋なハーモニーの美しさを味わい,一層アンサンブルの楽しさや喜ぴに浸ることができる。
高学年のアンサンブル学習は,グループ活動の比重が大きくなるので,小集団の中での望ましい人間関係とひとりひとりの表現力を高める手だてを考えていかなければならない。
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1) |
高音域のタンギングや呼吸法を体得させ,正確なピッチで美しく吹けるようにする。サミングや
,
の指使いにもなれさせる。 |
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2) |
アルト笛を導入し,美しい豊かなひびきが出せるようにするとともにアルト笛の奏法になれさせる。 |
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3) |
ソプラノ笛,アルト笛で本格的なたて笛の三重奏の演奏ができるようにする。 |
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4) |
レガート奏,スタカート奏,ポルタート奏などのアーティキュレーションを曲趣によってつけられるようにする。 |
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5) |
有音程打楽器でリズム伴奏をくふうしたり,副旋律をつけて編曲ができるようにする。 |
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指導例 (6年) 題材 メヌエット (クリーゲル作曲) |
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ねらい |
対位的な旋律の動きを大切にして,美しい三重奏をつくる。 |
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1) |
クリーゲルのメヌエット程度の曲が吹けることを到達目標にしたい。 |
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2) |
アルト笛が加わることが原則であるが,リード楽器で代用する場合は,たて笛とのバランスに留意する。 |
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3) |
各声部の対位的な動きを大切にするとともに,音の出やフレーズの終りの音をよく合わせる。 |
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4) |
各声部のフレージィングに注意して全体をまとめるようにする。 |
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5) |
この曲のグループ編成は,ソプラノ笛1〜1名ソプラノ笛2〜2名,アルト笛〜2名がよい。 |
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6) |
リーダーを中心として自主的なグループ活動ができるようにする。教師は児童の力では解決しきれないグループ内の問題点に,適切な助言と解決の筋道を見出させたり,奏法などの個別指導をする。 |
以上,アンサンブル指導のあり方について概要を述べたが,既製の編曲による教材ばかりでなく,能力差を少しでも解消できる児童の実態に即した教師の編曲も,アンサンブル学習の意義を高める一つと考える。