福島県教育センター所報ふくしま No.33(S52/1977.10) -015/026page

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ブロック研究を共同研究に生かした現職研修

 
いわき市立沢渡小学校
(前任校小名浜一小)
長 谷 川  義  翁
 

1. 主題設定の趣旨

組織成員による共同研究の面から現職教育を位置づけた場合,それは,学校教育という共通の目的のもとに組織された体制の中で構造化された研修活動であるということができる。この研修活動を推進するにあたっては本校のように37学級という大規模校にあっては,個人的グループ的研修を協働化の方向に拡充するとともに,研修を体制の中に位置づけて,その発展を図っていくことが基本になると考えられる。

昭和49,50年度に実施したスポーツテストの結果,本校の児童の実態として,都市にありがちな体カと体格のアンバランスが指摘された。そこで,昭和50年度に市小教研指定の体育研究校となったのを機会に,研究の具体的方向を,1)児童の体力づくり。2)学習指導法の改善。3)体育の生活化という点におさえ,間題の解明と児童の体力の向上に取り組んできたのである。

本校の場合ややもすると,研究指定校という特別の条件下におかれた現職研修になりがちである。即ち,研修の実践が目標からかけ離れたものになったり,特定の者に依存してしまうために,主体性を失う傾向に陥りやすい。そのためには,児童の実態を適確には握し,実態に即応した研究の方向づけを吟味するとともに,運営の方法を改善する必要がある。第1年次の研究について全職員で反省した結果,次のようにまとめることができた。

(1)  体育科における教材の一つ一つの指導のポイントや指導技術がわかっていない。
(2)  授業研究が多く,それに対する話し合いや研究の時間がなく,指導技術の向上が十分でなかった。
(3)  現職研修の時間のとりかたをくふうする。

これらの間題を解決し,共同研究の効果を高めるためには,研究対象の内容の多くが,当該学年に関するものであるために,全体の研究協議の中で解決することは困難である。そのために大規模校の特性を考慮しより有効な研修ができるように,ブロック研究を主体として,全体の関連を図りながら,研修を進めようと計画した。そこで低,中,高学年の三つのグループを構成し,それぞれのグループ研究の望ましいあり方を明らかにしながら,よりよい研修活動が推進できるようにと考えて,この主題を設定した。

2. 見とおし

校内研修が効果的に進められない原因については,いろいろ考えられるが…。

(1)  研究主題や研究内容がよく理解されないままに,研修活動が行なわれているので,効果があがらないのではないか。
(2)  研究組織や運営のしかたが適切でなかったので,共通理解が得られないのではないか。
(3)  ブロック研究を共同研究の中に位置づけることが十分でなかったのではないか。

以上のことから,グループによる研修の進めかた,運営のしかた,研修組織,他ブロックの研修内容の理解等の調査をとおして問題点を探求し,校内研修の進め方を改善していけば,共通理解のもと意欲的な共同研究ができるであろう。

3. 研究の方法と対象

(1) 調査の方法
  • 質問紙選択法,評定法,自由記述及び面接法
  • (2) 調査内容
  • 研修方法(共同,グループ)に対する意識の調査
  • 研修組織に対する意識の調査
  • ブロック研究と共同研究の運営に関する調査
  • 改善に関する意見の調査
  • (3) 調査の対象
    1)  本校職員40名 (普通学級担任32名 特殊学級担任5名 専科担任3名)
    2)  本校の職員構成
      20代
    30代 40代 50代


    1
    2
    3
    3
    2
    5
    14
    16
    30
    0
    2
    2
    18
    22
    40
    教職
    年数
    0
    〜10
    11
    〜20
    21
    〜30
    31
    以上


    4
    2
    6
    3
    2
    5
    11
    14
    25
    0
    4
    4

    4. 研究の概要と考察

      ――研究の概要――


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