福島県教育センター所報ふくしま No.33(S52/1977.10) -017/026page
<考察> この調査は,共同研修の中の研究部を対象とした調査である。低学年,中学年の80〜90%が現状でよいとしているのに対して,高学年では18.8%と少なく,むしろ研究会が少ないと回答している。回数が少ないと答えている者のほとんどが研究係主任で研究のまとめを考慮しての意見であると考えられる。反対に研究会が多すぎるという27.5%も全員が高学年であるのは,対外的行事や授業時間の関係で,研究部会をもつ時間がとりにくいためである。
3) あなたは,ブロックの研究活動についてどのように考えていますか。 <考察> この調査でも,1),2)と同じように,低学年70%,中学年100%は現状でよいとしているのに対して,高学年では31%と少なく,むしろ研究会が少ないと回答したものが56%と逆になっている。前にも述べたように研究討議をするための時間的なゆとりがないためである。
4) あなたは,現在のブロック研究内容(授業研究も含む)についてどう考えていますか。 <考察> この調査では,授業研究にかたよったきらいがある。面接によりおぎなった結果のデーターである。改善すべきだという者のほとんどが,授業研究の事前,事後の研究会の時間がたりないため,十分な話し合いができないので,時間の確保を前提にした研究であって欲しいとのあらわれである。研究しようとする意欲はあるのだが,時間が少ない。時間の確保にあたっては,今後研究を深めていくためにも,係として配慮する必要のあることを痛感させられた。
5) あなたは,ブロック研究と共同研修の関連についてどう考えていますか。 <考察> この調査では,ブロック研究と共同研修の関連がよくわからないとした者が,全体で52%と多く,特に中学年に58%,高学年に約70%もみられた。このことは,現在の研修システムで発足してから日も浅く,話し合いの場も少なかったためであろう。低学年では,現状のままでよいとしたものが約60%と多いのは,授業時数の関係から話し合いの時間が比較的容易にとれ,共通理解のもとスムースな運営ができているためである。
――第一次調査結果のまとめと改善策――
1) ま と め ア 研究主題の内容についてよく理解されていないので,共通理解を図るために,ブロック研究の機会を多く持つ必要がある。 イ ブロック研究会が,全体研修の中に生かされにくいので,ブロック相互の関連と全体研修との関連を図る必要がある。 ウ 授業研究については,事前研究による教材研究授業の記録に基づいた事後研究の習慣等を身につけ,指導法の改善を図る必要がある。 エ ブロック研究,全体研究ともに,議題の資料を早めに配布し,事前に協議の焦点化を図っておく配慮が必要である。 2) 改 善 策 ア ブロック内での共通理解を図るため,ブロック研究を週一回開き,研究主題にせまるため,サブテーマについての研究を深める。 イ ブロック研究を全体研修に生かすため,全体研修会をできるだけ多くもつ。 ウ 授業研究では,研究主題に基づき,解明すべき課題を設定し,役割分担をして授業の記録をとり記録に基づいた分析を通して,ねらいにせまる研究をする。 エ 研究計画の見とおしを明らかにし,具体的に計画をたて,研究を進めるようにする。 以上の改善策をもとに,夏季休業中から実践しているのであるが,これらの改善策が適切であったかどうか,第二次調査を実施した。
――第二次調査――
現職研修の改善策の適否を検討するための第二次調査と考察
(1) ブロック研究会の開催とブロックの研究主題の共通理解について 1) 2学期は1学期に比較し,ブロック研究会を開く機会が多くなったと思いますか。