福島県教育センター所報ふくしま No.35(S53/1978.2) -003/026page

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うになる。ただ単に多くの資料を集めるのでなく, 自分の求める資料をさがし出すことが収集力であり 選択である。収集にあたっては調査目標が容易に達 成できるか,表現は簡単で内容が的確につかめる か,統計資料の場合調査年度は新しいかなどに注意 する必要がある。

(4)資料を作成する力創造するカをつける

 収集した資料から自分の疑問や課題を解決するために必要な部分だけをぬき出して,新しい資料に書きあらわす場合もあり,調査のデータ等の数字的なものを図表やグラフに書きあらわす場合もある。その他資料を作成する機会はかなり多い。

4.グラフの種類と作成上の留意点

グラフの形式と内容

用いる目的 おもな形式  取り扱われる内容
(1)単純に比較する 棒グラフ(点グラフ・面積グラフ・体積グラフ)  集団の大きさ,平均などの場所的系列,発生〜対立比率
(2)内訳を表わす(部分相互,あるいは部分と全体を比較する) 帯グラフ・円グラフ 集団構造を示す構成比率など
(3)時間的経過を示す(変化や傾向をみる)  折れ線グラフ 集団の大きさ,平均,指数などの時間的系列
(4)量的な構造を分析する ヒストグラム・度数多角形(度数分布グラフ)  量的構造の度数分布 
(5)二つの量の間の関係をみる  相関グラフ(図)  二次元の度数分布

(1)棒グラフ

  棒の長さの大小によっていくつかの数量の差や比 をみようとするものである。ただ書き方が正しくな いと正確に比較できない場合もあるので次の諸点に 注意したい。

ア 棒グラフで最も大切なことは目盛のつけ方であ る。目盛線を引き必ず0から始める。

イ 目盛のとり方は,数値中の最大数を目安としてとり,数値に大小の差が極端にある場合などでは棒を折り返しにすることがあるが,この場合上から下へとか横へのばすのでなく基準線にもどって上にのばす。

ウ 棒の幅や間隔はそれぞれそろえる。なお間隔は 棒の幅1に対して0.5〜1.0ぐらいが見やすい。

エ 棒は普通大きさの順序に並べるが,標準分類な どのように慣習がある場合はその順序による。 

オ 棒を重ね合わせてグラフを書く場合は,小さい 数値のものを前に,大きい数値のものを後に重ね るようにし,重ねる幅は棒の幅の1/2〜1/3が適当で ある。この場合棒の種類が一目でわかるようにハ ッチング(模様)を必ずつける。


例

 また配列については,最初の一組の順序を終り まで変えないようにする。

カ 狭い紙面に長い棒(数字が大きい)をかくこと ができないときは,破線を入れて目盛の途中を省 略することがある。なお破線は棒の下部に入れる方 法と,特定の棒のみ省略するのに上部に入れる方法 がある。

キ 棒の形は普通平面的にかくが,厚 味を加えて(柱状)もよいが,直観 的に数字の比較をするねらいから考 えて平面的にかくのがよい。

イラスト

ク ハッチングする場合は,見る側に錯覚をおこさ せないように模様を使いわけることが大切である。

ハッチング例

  ハッチングを用いた場合は凡例を掲げるがその 位置は図中に入れるが,適当な空間がないときは 図のわく外に入れる。

ケ 図によっては,数字の最後の桁まで比較するこ とが困難な場合には統計図に数字を入れて置くと よい。数字を入れる場所は棒の頭上に入れる場合 と基準線の真下に入れる場合と棒の中に入れる場 合とがある。図の体裁からは基準線の下に入れた ほうがよく,棒の長さを正確にすぐ知るには棒の 頭上がよい。

(2)折れ線グラフ

 線の傾きの方向や程度によって数量の変化や傾向をみようとするグラフである。ただ項目数が少ない場合とか数字の変化が極端に大きいとか極端に不規則な場合はあまり適当でない。

ア 棒グラフの棒の頭の中心を直線で結び,棒をとりさってしまったものと考えられる。棒グラフでは一つのグラフの中に多くの異なるものの時間的変化を示すことは困難であるが,折れ線グラフの


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