福島県教育センター所報ふくしま No.35(S53/1978.2) -004/026page

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場合には容易にできる。

イ 横軸の年などのきざみ方は,等間隔に左から右へとることが原則である。

ウ 増減の量だけに着目するときには,目盛の基準線を省略してもよい。

エ 2本以上の線は太さや種類(実線,点線,鎖線 等)によって区別するが,その数はあまり多すぎ ないようにする。

 この場合説明書きを入れなければならないが, それにはカーブに直接説明書きをつける方法と別 の場所に凡例をつける方法がある。前のほうがわ かりやすいが

オ 時点でおさえる統計(静態調査)は目盛線上に期間にわたって調べる統計(動態調査)は目盛線の中間に点をうつのがよいとされている。

 動態調査の場合は,暦年(1〜12月)か年度か に留意する。

例 日本の会計年度 4月〜翌年3月 アメリカ〃 7月〜翌年6月

 日本では始まる月の属する年をとって,昭和 53年度といい,アメリカでは両年度にまたがる か終わる月の属する年をとるので,1978〜79年 度 また1979年度という。

 よび方が始まる月の属する年をとる場合  

 終わる月の属する年をとる場合

カ 縦の目盛と横の目盛の割合についての準則はないが,縦の目盛を粗にすれば時系列の変化が急激に表現されるし,逆にそれを密にすれば変化がゆるやかに表現される。縦横の目盛のバランスは,作成意図によって強調したり,逆に目だたせないように作為的に使用する場合があるから,グラフを見る場合は縦横の目盛のバランスによく注意しなければならない。

(3)円グラフ

 全円のいくつかの扇形あるいはナイフを入れたパ イのように分割して部分の割合を示すものである。 特に1/2,1/4などの割合は帯グラフより見やすい。扇 形グラフ,パイグラフともいわれる。

ア 円の中心に半径(区切り線)が集中するように 線を引かなければならないが,この場合半径の1/3 ぐらいの同心円を作り,内部を空白にして区切り 線の重なりから生じる見苦しさを防ぐと同時に, この同心円の中に必要に応じて実数や年度等を書 き入れたりする。

イ 大きさの順序,または慣例に従って右回りに書 くが,その出発点は円の中心から真上(時計の12 時の位置)からである。「その他」の項目は数字 の大小にかかわらず最後に位置させる。構成比率 がちょうど100%にならないときは,「その他」 または最大の項で調節する。

ウ 区切られた各部分内にその項目名をわかりやす く記入するとともに,円グラフには普通目盛がつ かないので比率を添えた方が見やすい。なお図形 内にその空白がないときは,矢印等を用いて外側 へわかりやすく引き出すことがある。

エ 構成比の比率をまず大分類し,つぎにそれぞれについて細分類したものを表わそうとする場合には二重円グラフにする。

オ 上下の半円の区切り方は上下で逆回りする場合と,ともに右まわりに書く場合もある。

カ 円を分割する方法は,円周 を数字により 比例配分するものであって,実数による円グラフ の場合の中心角は

*内訳数/総数 の方法によるか

また /総数 を算出しておき,これに内訳数を乗じて求めたほうが能率的である。

(4)帯グラフ

 帯状をなした長方形を分割することによって部分 の相対的大きさがわかるものである。

ア 内訳の各項目は大きさの順序,あるいは慣例に従って左から右へとり,「その他」は最右端にかく。

イ 帯の幅は長さの1/5ぐらいが見やすい。

(5)方形グラフ

  統計数字に比例した正方形の大小によって数字を 比較するものである。正方形の大きさは,一辺の長 さの2乗であるから求める正方形の一辺の長さは統 計数字の平方根に比例させなければならない。統計 数字の大きさをそのまま正方形の一辺の長さにする ことはあやまりである。

 おわりに

  学習資料を作成する力を育成することによって資料活 用能力も育成される。また資料を正しく読みとるために も資料を作成する体験を持たせることが重要であると考 えられる。

【参考文献】 指導のための統計教育,社会科教育的


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