福島県教育センター所報ふくしま No.35(S53/1978.2) -012/026page
教育目標の具現化をめざす評価の一方策
耶麻郡熱塩加納村立熱塩小学校 一 重 粂 雄
1.研究の趣旨
昭和49年度に教育目標を修正し,続いて年度末の反省 をもとに昭和50年度には,知・情・意・体の調和をはか り,次の目標等を整理し改定した。
○教育目標 ○学年目標 ○到達めあて ○経営の方 針 ○学校像 ○教師の信条
昭和51年度においては,反省の累積を再確認して目標 等を踏襲することを基本にし,第2年目であることから 経営方針に次の1項を挿入した。
「学校の教育目標達成のための具体化・実践化を図り,その効果として,つとめて児童の能力・態度の上に変容としてとらえられるような経営をする。」また,これを受けて到達めあての表現を整え設定した。
以上のような経過の中には,常に全職員が参画し,共通理解をはかり特に本年度は,目標等の構造的なとらえ方をして具現化ヘスター卜したが,次のような問題点が残されている。
○前年度の教育目標への到達度合い(学級評価)をみる と学期の具現化経過と児童の到達度合いの高まりが比例 しない。
その原因としてをは,特に次のことがあげられる。
◎ 学期ごとの評価結果が次の学期への具現化の手だて として,また児童の個々への意欲化や方向づけのため に活用されていない。
◎ 教育目標の家庭への浸透が浅く,家庭の立場からの 側面的な支えが十分でない。
この対策を,評価というフィード・バックの機能を十 分生かし,具現化をより強化するために主題を設定した。
教育目標 学年 学年目標 到達のめあて 指導の機会や観察の場 評価 一学期 二学期 三学期 一、健康で明るい子ど
も1 えがおであいさつしよう。 朝・帰りに先生や友だちに,あいさつをしっかりできる。 登・下校時 身のまわりを清潔にしよう。 チリ紙・ハンカチは,いつももっている。
手あらいをしっかりやれる。
歯みがきを毎日やれる。常時・健康手帳を活用 元気でうんどうしよう。 元気でうんどうできる。 体育・業間体育・休み時間 2 はっきりあいさつしよう。 朝・帰りに先生や友だちにあいさつ,職員室の出入りのあいさつをしっかりできる。 登・下校時,常時 2.見とおし
教育目標は,多面的な方法による評価と,評価結果が児童・学級・家庭に十分生かされる方策がとられるならば,家庭に浸透し,児童の日常生活にも現われ,その到達度合いも高まるだろう
3.研究の方法と対象
- (1)多面的な方法による到達度の評価と本校の通知票 改善・・・・・・・・・・全児童 家庭 教師
- (2)評価結果を生かす活動
- (3)家庭への浸透と児童の日常生活
- (4)到達度合いの高まりはどうか(三者の評価結果)
- (5)全体の考察
4.研究の結果と考察
(1)多面的な方法による到達度の評価と本校の通知票改善
《1》 本校の教育目標は下記のように,到達めあてを も含めて設定した。
この到達のめあてを自己評価・担任教師評価の尺度と した。
《2》 教育目標への到達度の評価
教師の一方的評価だけでは,児童の自主性や主体制による到達めあてへの意欲はもとめることができ ないことから,指導するもの・されるもの・支え見守るものの立場からの評価を実施した。(三者評価)
ア 児童の自己評価・・・・・・・・・・(各学期末)
この評価にあたっては,事前に児童調査を行いその結果をもとに可能との判断で,担任教師が条件を整備し,それぞれの手法をもって実施したものである。