福島県教育センター所報ふくしま No.35(S53/1978.2) -014/026page

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指導を支えを担う家庭の評価も,家庭への浸透という ことから重要視したい。  

 通知票の改善も,−般化された共同印刷などによるのでなく,熱塩小の教育という実態をふまえた具体的なもので,家庭における次の指針として有効であったと思う。 

 また,こうした評価の結果をどう生かすか,ということを明らかにして実践活動がなされることは,三者評価の意義があると考えられる。 

(2)評価結果を生かす活動  

《1》 担任の創意性を重視  

 自己評価・担任教師評価と家庭での評価は評価観察の場・領域が違う面もあるので,三者を比較検討しても価値が薄いかと思われるが,教育目標と学年目標を中心に三者がそれぞれの立場で可能な限りをつくして評価したものである。比較検討も無意味ではなく,評価の意図を十分生かすことができよう。 

 したがって,昨年までの学級単位の到達度合いの傾向にとどまることなく,三者の個々の評価を資料としながら学級経営の実践計画を学期ごとに修正し指導の個別化など担任の創意性を重視した。 

 また,担任の創意性が十分発揮できるよう全職員の協力態勢の醸成につとめた。 

《2》 活動例 (担任教師)

 到達めあてへの営みは,三領域の活動をとおして なされていることはのべるまでもないが,特に次の ような活動例が2学期になって目立っている。  

 ア 「学校のものを大せつに使おう」という学年 目標に対して欠けている者が多いので,体育の時 間には用具の準備やあと始末の仕方にも力を入れ てきた。(具体的事項略)

 イ 週や月のめあてに学級独自のめあても含め学 級の短所をなくそうと努力している。 

 ウ グループ反省会・個別指導 

 エ 学期末反省会(学級の長所短所・学習・友だ ち・健康・先生の長所短所の話し合い。)をして三 学期への希望や願いをまとめている。 

 オ 11月から常例外時間採用による学級独自の時 間表(20分〜40分)その中には教師と児童の人間 関係をより深めることを第1のねらいとしている ことから,全学年が諸活動をとおし,教育相談的 に個別指導がなされている。  

《3》 学校全体としての活動

 ア 教育月標のプリント配布,昨年は「学校通信」 本年は「学校通信」と掲示用を全家庭に配布, その後家庭向調査から学年目標・到達めあてを内 容とした掲示用の配布希望があり,学年別に配布 した。 

 イ 地区懇談・P.T.Aの会合などで説明した。 り 教育目標を中心とした関心度などの調査。  

<考 察>

 三者評価の結果を集約し担任教師の創意によって, 学級全体の指導として《2》のような方法や場が計画され 実践されてきたが,また十分な策とは言えない。  

 また,三者評価の意図として,もっとも重視したい評価結果の比較とその対策においては,一部欠けている面があったのではないかと思われる。 

 例えば,児童は とし家庭では○担任は◎であった  

という項目に対して,教師は家庭に児童の よさ を知ら せ,家庭より まずさ を聞くことが必要であろう。もう 一方の児童に対しては,今後カを入れるべきことや自 己評価の基準としたことなど話し合う個別指導がなさ れるべきであるとともに,到達度の高いもの,努力を しているものについての認める作用が十分でなかった と反省したい。  

 第三学期は,学校全体としての活動の場や学級段階 においての賞賛と自信を持たせることに努力したいも のである。もう一方の家庭にたいしても,児童の変容 を知るための手だてを考えるとともに,賞賛→自信→ より高く→実践→という向上へのらせんを大せつにす るようよびかけていきたい。  

(3)家庭への浸透と児童の日常生活 

《1》 家庭調査などから

その後,家庭の評価・通知票・掲示用プリント (学年目標・到達めあてを含む)を配布して,12月 に追調査をした結果は,  

例1「家族みんなが見えるところへはっておきま した。食事をしながら,健康で明るい子など 話し合ったりしています。好ききらいがない 子は,健康になれるとか,健康であればどん な面にも伸びるとか話し合っています。」  

例2「一学期と違って二学期はきめこまかに話し 合いができました。ありがとうございます。」  

例3「一学期ば,よく,しつけのことでまよった が,プリントを参考にして,とてもよかった です。これからも一緒に話し合い考えていき ます。」  以上原文のまま  

○12月20日,学級親子懇談会を全学年実施した結 


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