福島県教育センター所報ふくしま No.35(S53/1978.2) -019/026page
- 《1》 研究推進委員会を中心に,全校研究計画の作成 ・研究実践の成果の集約・推進のための基礎的事 項や文献研究にあたる。
- 《2》 教科部会等を中心とした研究を推進するために 教科研究日の確保と充実をはかる。
- 《3》 4つの観点から各教科・道徳・特活について授 業を中心に実践研究をすすめる。
- 《4》「学習訓練」「小集団学習」「教育機器の活用」 等を,授業の中に有効に位置づける。
- 《5》1単位時間45分の授業の特質,生徒活動の時間 30分の運用について研究授業を中心に実践。
- 《6》年間一人1回の研究授業を実施する。
- 《7》全校研究会を定例化し,毎月1回実施する。
- 《8》一例研究の継続と累積
6.研究の実践
(1)国語科 書く活動を通して自己の生き方を考えさせる指導(生きていくこころを育てる)
<仮説>
指導内容を精選し,方法を工夫して文章を書く 機会を多く持てば,思考が深められ,論理化され,自己 の考え方が明確にされるであろう。<実践>
次のような学習の手順を理解させ,自主的な学 習が進められるようにした。
- 題名から想像したことを書く
- 初発の感想を書く
- 感想の交流と課題の決定
- 作品の分析と追求
- 主題と学習後の感想をまとめて書く
- 読後感想の発表から個人の変容をおさえる
<成果>
《1》書くことに抵抗を感じなくなり,主題にせま った内容の感想が書ける。
《2》ものごとを多角的にとら えた感想が書ける。
《3》読書意欲を喚起(2)社会科 思考力を高め,生徒ひとりひとりに発 表する態度を培う指導(四つのこころ)
<仮説>
自主性・協力性・創造性の育成をふまえて教材 の精選をし,討議および発表(表現)の場と時を授業の 中に設定するとともに,興味・安心感・相互理解・実践 力・計画性をひとりひとりに培う。<実践>
《1》視聴覚機器の利用。
《2》班・小集団学習の活用。
《3》課題の設定と資料活用の方法の研究実践と指導内容 の焦点化。<成果>
毎時間の学習に生徒の活動が見られ,明るく,活発になった。(3)数学科 柔軟な思考ができ,多面的な見方ので きる子どもを育てる指導(考えるこころ)’
<仮説>
新鮮で,驚き,疑問,矛盾や対立,当惑を生じ 能力に応じてアプローチできる問題を提示し,「わから せること」「考えさせること」「練習させること」を明 確にし,考えさせるところでは充分に場と時間を確保し て,考えさせる。<実践>
《1》個人思考を出発とし,小集団思考,全体思考 の中で友だちの考えをきき,とり入れ,新しい数学的ア イデアを生み出させる。
《2》1つの課題にいくつかの考 え方を発見させ,それをよりよい解答へねりあげる。
《3》1つの問題を分析的な見方で調べ,さらに統合的にと らえさせるようにする。<成果>
《1》いろいろな考え方で見ることができる。
《2》分析,統合の見方ができるようになった。4)理 科 探究学習を通して豊かな心を育てる指導(四つのこころを学習過程に)
<仮説>
《1》授業の始めに探究の段階を意識させる発問をする。
《2》感動したこと,わかったこと,わからないこと などを口頭,又はノートに記録し発表させる。<実践>
《1》科学の方法の指導体系から,どの教材をとり あげるか検討し,その過程を理解させた。
《2》探究の過程で四つのこころを具体的にどう育てていくか検討した。
《3》予習課題を足ががりに,意欲的に授業に取り組めるノ ートづくりの工夫。
《4》学習訓練をきびしく実践。
《5》思考の場を多くし,グループによる協力学習の実践。<成果>
《1》自然事象に対する関心が高まり,科学的な考 え方をする生徒が多くなった。
《2》協力して,準備,作業,後始末まで,すばやくできるようになった。
《3》毎日の予習復習をよくやり,根気強く研究をつづける 生徒が増えた。(5)音楽科 主体的に学習をすすめ,音楽の基礎力を身につけさせる指導
<実践>
学習内容の精選をはかり,ソルフェジュを中心 とした基礎指導をつみ重ねて生徒の能力に応じた指導計 画や方法を考慮しながら授業を行なった。<成果>
自分の能力に応じ学習に取り組み,ソルフェジ ュを中心とした基礎の能力が身につき,歌唱や器楽にお いて意識して取り組む生徒が多くなった。 グループ発表には,関心を持つようになった。