福島県教育センター所報ふくしま No.36(S53/1978.6) -016/034page
アイデイア紹介
発泡スチロール容器利用による理科教具
郡山市立桑野小学校 渡部 清
1.はじめに
魚屋等で廃棄される発泡スチロールは,多くの長所がある反面,こわれやすい,熱に弱い,接着剤がきかない(溶剤に溶けてしまう)などという欠点もあるが,工夫のしかたによって理科の教具にも活用できるので,その一端をご紹介いたします。
2.テラリウム・アクアリウム
(1)準備
・接着剤,商品名rシーラント」信越化学2,OOO円程度
・同剤,接着用器具1,500円程度
・魚屋で廃棄している発泡スチロール容器
・カッターナイフ(大きめのもの)
・普通ガラス(2o)・ガラス切り
・やすリ・大型定規・マジックペン
(2)製作順序
1)ガラスが入り,接着可能な大きさに容器の底面、第1図のアをカッターナイフで切りとる。
2)次に,容器の側面第1図のイを切りとる。3)アの部分にガラスを切って,接着する。(重しを10分間ほどのせて置く)
4)容器前面第1図のウにガラスを切って,接着する。
写真1〔ポイント〕
1)切りとった容器の枠をガラスにのせ,のりしろを考えてガラスを切ると作業が早い。
写真1
2)カッターナイフの刃を全部出して(大きいのは刃が曲がらなくてよい)発泡スチロールを切る。
〔接着剤の使用法〕
1)接着のりは片面のみつける。その要領は,一本のひも状に同じ量ずつ間をつくらないで出す。
2)酢酸系の接着剤のため通気牲のよい所で作業をする。
3)接着剤の保管は,第2図のように,のり状のものを1cm程出して保管しておくこと(栓の役目をする。怠ると次回使用の時,凝固して使用しにくくなる)
(3)長所
1)テラリウム,アクアリウム,小動物の飼育箱等として,巾広く利用できる。
2)水槽1つ作るのに20分ほどで出来る。
3)学校でこわれた窓ガラスを利用して作れる。
4)発泡スチロールの容器が汚れてきたり,穴があいて使用できなくなった場合,ガラスのみ取り,再利用できる。
(4)効果
水槽の底面をガラスにすると,写真2の様に,魚のひれの動きの観察によい。
3.植物の根の観察用容器
(1)準備 浅型の発泡スチロール容器
(2)製作方法
1)容器を半分に切り,切った2つの容器の前面にそれぞれガラスを接着する。
(3)使用法2つの容器のガラス面を合わせて植物を栽培する。(写真3)
(4)効果 ジャガイモの根の観察。土質の違いと根の様子の観察によい。
4.その他
光学水槽(写真4)放射熟の測定などの教具も容易に作れる。