福島県教育センター所報ふくしま No.37(S53/1978.8) -006/030page
中学校教材
言語要素の学習とコュニケーション(2)
現行教科書による新しい言語活動の扱い方
教科教育部 吉成 尚武
はじめに
戦後33年を経た今日,中学校学習指導要領(昭和33年10月1日文部省告示第81号)からみても20年間,生徒として,あるいは教師として英語を身につけてきた私たちにとって,これほど指導事項が大きく変化したことはなかった。また新指導要領では,具体的な事項は,指導にあたる担当者にゆだねられることになり,私たち教師自身,大きな発想の転換をしなければならないことになった。
従来,私たちはどのレッスンも,毎時間「聞くこと・話すこと」「読むこと」「書くこと」の調和を保つように努力してきたが,十分な成果をあげることができたとはいえない。
新指導要領では,年間指導計画の作成に際して,1年間をとおして全体として調和のとれるように,あるレッスンは,「聞くこと・話すこと」の「話すこと」を重点に,また,あるレッスンは「読むこと」に重点をおいて指導するような年間計画を作成することも必要であるといわれている。
所報 N0.32「言語要素の学習とコミュニケーション(1)」において,言語活動Activity level 1〜3などいくつかの提案をしたが,今回は,福島県下で採択されている英語の教科書をもとに,第1学年と第2学年の指導例をあげた。昭和54年度入学の第l学年の生徒は,第3学年時に完全実施となることから新しい指導要領にもとづいた今後の言語活動をすすめる上での参考になれば幸いである。
1.言語活動「聞くこと・話すこと(イ)」に重点をおいた指導
(イ)話そうとする事柄を整理して,大事なことを落とさないように話すこと。
「簡単な事柄について話そうとする事柄を整理して大事なことを落とさないように,簡単な事柄を英語で話すこと。」が第1学年の目標である。
大事なことを落とさないで相手の人に伝わるように話すことは,特に1年生にとって容易ではないが,このような言語活動の習慣を身につけさせるには,1年生は好機である。教室では,積極的に話す場面を設けて少しずつでも参加させ. encourageしながら話す意欲を育てたいものである。
-----具体例(1年)----- Lesson 9.
KEN CAN SPEAK ENGLISH WELL.
Miss Green. You can speak English well,Ken.
Ken. ,Thank you.
My father can speak English very well.
G. Do you speak English at home?
K. Yes.We speak English and Japanese at home.
My little sister can speak English,too.
G. I speak a little Japanese.
K. Is that so? That's fine.
-----レッスン最初の学習時限に,全体を通読し読めない文字,意味のわからない文字を調べ終った段階------
T: このページは何についてのお話ですかP1,君。
P1: ...........
P2: 先生がKenに英語が上手に話せるねといったところです。
T: そうですね。その他の人は。
P3: 先生はKenの家族の人が英語を話せると聞いて「私も日本語が少し話せる」といった。