福島県教育センター所報ふくしま No.38(S53/1978.10) -002/030page

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小学校教材

社会科における教材研究のすすめ方

学習指導案の作成

教科教育部  境野 啓二 

1.はじめに

新学習指導要領によれば,現行の内容が大幅に削減され,各学校の創意を生かした指導計画を作成することが強調されている。このことは,教師の主体的な教材研究が要請されていることをしめしていることに他ならない。この中にあって,教材研究のすすめ方について確認することは意味のあることである。

所報第27号において,教材の精選について説明したが,その精選した教材をもとにした学習指導案の作成について,当教育センターで実施している小学校社会講座の実際を中心に説明し,参考に供したい。

2.教材の精選の確認

教材の精選を,目標と教材の分析を通して行ってきたことを所報第27号で説明したが,下のように整理し確認しておきたい。 (所報第27号参照されたい)

-----目標分析-----

1 学習指導要領の読みとり

(1)「1.目標」のは握
 ○社会科の目標は握
 ↓
 ○学年目標のは握
 ↓
 ○当該研究題材関連目標の抽出と重点のは握
  ・学カの観点(知的学カ,技能的学カ,態度的学カ)から分析する。
  ・表現用語に気をつけて重点を読みとる。

(2)「2・内容」のは握
 ○当該研究題材関連内容の抽出
 ↓
 ○当該研究題材関連内容の重点のは握
  ・目標との関連は握
  ・内容の読みとり
  ・内容の取り扱い」の確認
※ 学習指導要領指導書の読みとり

2 単元目標のは握

(1)中心となる目標の設定

(2)支える目標の設定
 ○中心となる目標の確認
 ↓
 ○中心むとなる目標達成のための視点の抽出
 ↓
 ○地域,児童の実態の確認
 ↓
 ○中心となる目標の分析(達成を支える目標の設定)

3 小単元目標の設定

 (1)中心となる目標の設定

 (2)支える目標の設定

 (3)配当時間の確認

4 本時(授業)目標の設定

 (1)中心となる目標の設定

 (2)支える目標の設定(目標行動の設定)

-----教材分析-----

1 単元・小単元,本時(授業)目標の確認

2 教材の選択(小単元,本時)
 ○学習指導要領指導書の読みとり
 ↓
 ○教科書の読みとり
 ↓
 ○教科書会社の教師用指導書の読みとり
 ↓
 ○その他の資料の読みとり
 ↓
 ○教材の選択

3 教材のは握
 ○中心となることがらのは握(中心観念)
 ↓
 ○基本となっていることがらのは握(基本的要素)
 ↓
 ○具体的な学習事項のは握(具体要素)

4 教材の構造化
 ○中心観念,基本的要素,具体要素を位置づける。
 ↓
 ○それぞれの関連を考える。
 ↓
 ○指導順序を考える。
 ↓
 ○これらを図にまとめる。(教材構造図)

3 学習指導案の作成

目標,教材分析に基づき,次の手順をもって学習指導案を作成する。

l 小単元目標の確認

2 指導計画の作成

 ○教材構造(図)の確認
 ↓
 ○指導計画(小単元)の作成(指導順序と時間)
 ↓
 ○本時の位置づけ

3 本時(授業)目標の確認

4 指導過程の構想


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