福島県教育センター所報ふくしま No.38(S53/1978.10) -021/030page

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教師の指名,応答,個々の子どもの反応といった―連の活動から,いま学習していることを理解しているかどうか,子どもの学習状況からとらえ,実態を判断することが多い。授業の中では特に算数科をとり上げ,次のような数学的能力をめざした観点を立てて観察することが必要と考えた。

数学的能カとして

(1)感知能カ(数量的な面に気づき理解がはやい。数学的関係や構造をよく感得する。)

(2)思考能カ(柔軟に思考する。抽象的,記号的思考に敏感である。―般化するカがある)

(3)転移能カ(新しい場面に既習のことを生かせる,数量的考えを人に伝える。生活や他教科への適用,応用するカがある)

その他,技能面からは,正確さ,速さといった面,実験,作業などの面からは,その手順,手際のよさ, 見通しのよさ,速さ,的確さなどいろいろな観点があげられる。

観察記録をとる場合には,テストの成績や,先入観にとらわれることなく,多面的なとらえ方をくふうし,資料を集積することが必要である。

4 指導過程の考え方

 51年度までの研究では,指導過程を,「導入,展開,終末」の3段階でおさえてきたが,それだけでは重点事項にあげられている機器やチエック箇所,ノートなどの位置づけがあいまいではないかと指摘され―人―人が自ら学びとる指導過程として,5段階「つかむ,たてる,たしかめる,まとめる,つかう」を採用することを考えてきた。

指導過程の考え方

3 研究の方法

1.研究の基本的な考え

(1)教育機器は―人―人を伸ばすための手段として位 置づける。

(2)前年度までの研究の過程や積み重ねをもとに研究を推進する。

(3)研究の姿勢としては,仮説を設定するのではなく研究の見とおしとそのための視点を明確にして―人―人を伸ばしていくことに力を入れる。

(4)現職教育なので何よりも事前,事後研究を含めた授業研究を中心に進めていく。

2.研究の重点事項

(1)―人―人の児童が自ら学びとっていける指導過程を組織するため,つかむ,たてる,たしかめる,ま とめる,つかう(ひろめる)の5段階で実践研究を進める。特に,授業の成否を決定する学習課題のつ かませ方に力を入れる。

(2)事前調査の内容を検討し,その活用を考える。

・―人―人をは握するための適切な内容を考える。
・事前調査の結果を指導過程や個別指導にどのように活用するかを考える。

(3)チェックの方法とチェック後の指導のあり方を考える。

・教材分析から指導のねらいを明確にして,最重点下位目標行動を設定する。
・確実に―人―人に身につく指導を展開するため指導のねらいが―人―人に達成されているかどうかチェックする。

(4)―人―人の学習状態をは握するための機器の活用を考える。

(5)―人―人が伸びた状態の確かめ方を考える。

・次の手順で確かめる。

 a 対象となるものをとらえる。 (何を)
 b 確めの時期を決定する。 (いつ)
 c 確めの方法を決定する。 (どのように)
 特に,実践的態度の考え方についての変容を評価することをたいせつにしていきたい。

(6)―人―人の考えをは握するためのノートづくりに 力を入れる。

・板書整理のためのノートではなく,自分のノートづくりをさせる。また,実践的態度育成の評価にも役立てたい。

3 研究の進め方

(1)事前研究

 a 教材分析をもとにして,事前調査の問題例を検討する。
 b 事前調査の結果をもとに作成した仮指導案を検


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