福島県教育センター所報ふくしま No.38(S53/1978.10) -023/030page
12 月 (2)・チェックの方法とチェック後の指導のあり方。
・AV研修会6年 「比例」 54年
1 ・ 2月昭和53年度研究のまとめ
◎「あしあと (第8集)を作成
昭和53年度の研究を反省する。
昭和54年度の研究計画○全体研修,個人研修をもとにしてまとめる。 5 研究実践内容
―人―人を生かす授業
「一人一人を生かす授業」「―人―人を生かし,より質の高い授業」は教師のねがいであり,しかも極めて至難な課題ともいえよう。
授業を構成するものは,教師,子ども,教材の三つの要素であるが,さらにこの三つを生かす教授メディアを加え,四つの構成要素のあり方が授業の質をきめるものである。
これらの諸要素は,それぞれの質とその相互作用によって,その目標達成に向かって,有機的に働きあい,ひとりひとりの学習が成立することにある。
いいかえれば,―人―人のものの考え方や行動のしかたが,主体的に学習にとりくみ,問題を追究し,創造や発見の喜びをもてるように変わることである。
2 授業の実際
ここでは,ページ数の都合もあり,くわしく記すわけにはいかないが,本校でとりあげている授業案の概要を知っていただくために,5年の授業から「三角形と四角形の面積」を紹介しておくことにする。
(1)題材名 三角形と四角形の面積
(2)児童と教材
a 教材観
この教材は,4年の長方形正方形の求積から発展したものである。三角形,平行四辺形の台形などの基本図形の求積は,必要な長さを測り公式を 用いて求められることを理解させるのだが,結果を得ることのみに急であっては意義は少ない。むしろ,この指導では,公式を導きだすまでの過程が重要なのである。即ち,どのような考え方により,すでに求め方がわかっている図形に帰着して考えられるか,また,つくりだした公式がどんな公式を土台にして導きだされたかという筋道をはっきり理解させることが重要であろう。この理解が確実でないと,公式を忘れても自力でつくりだすことができず,公式は覚えていても公式の見方や自在な活用のカなどが伴って伸びてはいかないことになる。従って,ここでは技術的形式的なことも大事にしていく……(以下略)
b 児童の実態
・事前調査の結果を考察し本単元の授業とのかかわりを考える。
c 指導のかまえ
三角形,平行四辺形,台形などの求積指導では,技術的,形式的な指導に流れやすい点に注意すべきである。ここでは,三角形,台形などの積の指導過程をとおして,測定の考え,関数的な考え,統合的な考え等の数学的な考え方を伸ばすことも忘れてはならないであろう。具体的な操作をとおしたり,OHPなどの機器を活用して図形の等積変形を考察していくのだが図形の求積法を1つとは限定せず,いろいろの手法や手順で考えさせ公式を創りださせるようにしたい。そして自分でつくりだした公式がどんな既習の図形に帰着させて導きだしたものであるかを明確に理解させたい。
ここでの指導では,公式をすでにできあがったものとして受身的にあつかうのでなく,公式をつくりだすというかまえで指導過程を組織することによって,公式の意味も公式の適用能カもより確かになるであろうし,算数・数学の学習のしかたを学ぷことができると考える。