福島県教育センター所報ふくしま No.39(S53/1978.12) -012/030page

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<研究実践校紹介>

研究主題    自発的学習態度の育成

河沼郡柳津町立柳津中学校

1. 研究の趣旨

本校では,教育の基盤は生徒指導にありとの共通理解から,昨年度は生徒指導の充実強化に努め,「生活のきまり」を作成した。その結果、生活面における基本的な態度は向上した。しかし,その成果が学習面に転移していないという反省が出された。

その原因は,いろいろ考えられるが,本校は,本町地区を除くと純山村であり,部落数も35と多く,その部落も山間に散在している。従って,生徒の通学距離も最長で片道8.7qであり,通学方法も,バス通15名,汽車通3名,自転車通32名,徒歩116名とさまざまであり,通学時間の平均も往復2時間となる。

また,生徒の性格は純朴で明るい反面,行動は惰性的で,目的意識,課題意識にやゝ乏しく積極性に欠ける。学習面でも,通塾生徒は技能関係の音楽,書道などに数人散見される程度で皆無に等しく,家庭における学習時間も他校にくらべ,大きく下回っている。

このような状況の中で,学習の効果を上げ,本校の学校教育目標,及び,努力目標の一つである「学習指導の充実」の具現化をはかるためには,授業の質の向上,授業の体質改善以外に,その実を上げることは期待できない。

そのためには,全教師の学習に対する共通理解を図るとともに,生徒自身の力で学びとる意欲を育て,自己実現のため積極的に努力しようとする態度の育成が教育目標に迫る最短距離になると考え,この主題を設定した。

2. 見とおし

生徒の学習意欲を阻害している要因を明らかにし,それに対する改善策をたて,全教師共通理解のもとに実践すれば,生徒の学力は向上するだろう。

3. 研究計画

(1) 研究内容 時期

 [1] 基本構想

基本構想
基本構想

(2) 研究の経過

 [1]「昭和51年度第1年次」

 副主題 基本的生活習慣の形成

4月の教員異動で6名の転出入があり,教諭12名中6名は全体の50%にあたる大異動であった。転入者6名は他管内,他地区,他町村にまたがり,それぞれの学校より転入した。学校の規模地域差,特殊性などさまざまである。そこで,全職員の一貫した指導ができるように,共通理解を図って指導にあたるようにした。

現職教育の研究テーマとして,本校の実態と現状を分析して,職員の共通理解のもとに研究テーマを設定した。設定にあたっては前回のテーマを大事にして,それをもとにして,その上に立ってという前提のもとに学力の向上を図るためには,まず,学習態度の形成であるという結論に達した。

学習態度を形成する基礎は,生徒指導をもとにした「基本的生活習慣」に視点をおき,基本的生活習慣の育成を研究の副主題にあげて,指導の実践に取り組んできた。

研究の進め方では,生徒指導全体計画の作成および,生徒理解を深めるための教育相談,担任がかわっても一貫した指導ができるように,学級経営誌の整理統合をして,実質のあるものにした。

具体的な指導では,地域,保護者の啓蒙はもちろん,日常生活の中でのしつけを中心とした,あいさつ,礼儀,服装,身なりなどに重点をおいた。学習では,学習方法訓練を徹底させるための最低限度の基準を示して,学校の教育活動全体を通じてのきま


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