福島県教育センター所報ふくしま No.39(S53/1978.12) -014/030page
表4 「ア」と「イ」を選択したものが全体の70%弱を占めている。「ア」と答えた生徒は学年にかたよりたく分布しており,「ウ」「工」の選択との関係から,与えられたものは受身んがらやるが,「何を」「どのように」主体的,自発的に学習したらよいのか,迷っている状態がよくうかがわれる。
また「イ」と答えた者は低学年に下るほどそのひん度は高くなる。自已実現からいっても目的意識をもたせる。もつ意味の重要性が痛感される。
「オ」と答えたものはわずかに4%程度で,これは学習用具等については完備している状態を示すものであると考えられる。
[2] 学習時間に関する問題点の追求
表5 「ア」と答えた生徒は上学年になるほどひん度を増してくる。中学生としての自覚の深まりとも考えられるが,第1の理由はテレビの視聴時間である。そして,それは「イ」の計画性の欠如と相関してくる。日常生活が惰性に流されやすく,自己指導の必要性が認められる。
また,「エ」と答えた生徒は,その理由として家の手伝いをあげている。
[1][2]から,統計上にはあらわれないが,問題の根底によこたわるものは,学習意欲,学習態度であり,その上に,学習方法,時間に改善を加えていくことが課題であることが,わかった。
(3) 改善すべき内容に対する教師の構え
改善すべき内容に対し,教師はいかにあるべきか全体協議の結果,下の表にあるものが洗い出され確認された。
表6
課題 具体的対策 機会と場 学習方法に関するもの 学習の手引き作成
学習の手引きによる指導
事例研究夏休み
学業指導
研究授業学習時間に関するもの 学習計画表の樹立
学習計画表の評価
事例研究学業指導
担任
学年会学習意欲学習態度に関するもの 評価カード
相談ノート
事例研究
数学科個別指導
生活のしおり教科担任
学級担任
研究授業
数学担当
短学活(4) 実践
[1] 学習の手引きについて
推進委員会の原案をもとに全体協議会を経て,全教科にわたる学習の手引きを作成することが確認された。研究テーマに迫るため全教科についての学習の手引きを作成して,ひとり学習ができ,しかも,内的報酬が得られるようにした。形式,内容は次の通りである。
表7
○ ○ 科 (例) 1 学習のねらい 2 学習のしかた
(1) 学習上の留意点
・ 略
(2) 家庭学習のポイント
・
(3) 予想のしかた
・
(4) 復習のしかた
・
3 分野別学習のしかた
(1) ○○分野 3.5o原稿
・ 3枚程度 4 ノートの取り方 上記の手引きをもとに全体会で共通理解を得て教科担任,また,学級担任による学業指導で集中指導を行った。現在,内容項目について,実践し修正中である。
[2] 授業研究について
学習指導案は教師の生命であり,「生徒の積極的な反応を予測し,授業についての仮説となる」との認識に立ち,教科の独自性を生かしながらも「本テーマ」の具現化のため,下表のような共通的な最低限の内容基準を示した。そして,数次にわたり教科部会,全体協議会を経て,学習のしおりの実践をし修正改善の方途を講じている。
ア 指導過程