福島県教育センター所報ふくしま No.39(S53/1978.12) -015/030page
表8 イ 一日の学習の自己評価表 (略)
[3] 学習計画表について
学習の基本は,生徒自らが主体的に学習に取り組むことである。そのためには,生徒自ら計画を立案し,実践し,評価し修正を加えていくことが必要である。このサイクルの過程で望ましい学習習慣が形成される。
そのための指導援助活動として,学年の創造性の余地を残しながらも,学年間の共通性をふまえた計画表を作成し,指導に臨むべきであるという共通理解にたった。次の表は3学年の例である。
( 月) 生活計画・実施記録表
表9 [4] 数学科の個別指導について (例)
ア 各部の状況
表10 イ 数式の分析 (例2年)
表11 ウ 対 策
前年度も今年度も数式の部の正答率が低い。
基本的な分数,小数の計算力の結果,分数よりも小数の計算力が特に劣っている。本年度はまずごく基本的な計算力をつけるよう努力したい。
・分数・小数の問題プリントを全生徒に配布し各自練習させる。
・週1回 放課後テストをする (以下略)
5. 研究(中間)のまとめと今後の課題
研究はまだその緒についたばかりという感が深い。しかし,この研究を通して,生徒の学習に関する基本的な問題点をいくつか洗い出すことができ,それらの問題点に対する解明の糸口も,教師間に共通理解を得ることができたような気がする。
生徒にも,積極的に学習に取り組まねばという意識の高まりも,少しずつながらみられるようになった。
そのためには,具体的にどう問題に取り組み,どう実践し,評価し,よりよい自己実現にむかっていくかという,自己指導のあり方について体得させるまでには至らなかった。
また,自己指導,自己実現のための適切な援助指導のあり方についても,未解決な問題が多く今後の課題として残された。
ともあれ,研究はまだ第2年次半ばである。どんな小さなことでも,指導にあたっては職員の共通理解に立つことの重要さを痛感した。教科指導に限らず「指導したがやっぱりあの子はだめだった。」とよく口に出されることが多いが,これは,教師の指導力に欠けていることに要因が潜んでいることを自覚し,今後さらに全教師の共通理解を深めて,学校教育目標具現化のため,実践指導を推進していきたい。