福島県教育センター所報ふくしま No.39(S53/1978.12) -0016/030page

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教育工学

本県における教育機器並びに視聴覚教育施設の現状はどうか

―公立小・中学校・県立学校の実態調査から―

経営研究部  須賀 紀一

1. はじめに

近年,教育機器については特に関心が高まり,本県においても教育機器の充実とその活用にかなりの努力がはらわれている。

そこで,「教材基準」の改訂を機会に教育機器を利用する教育活動の基礎的条件を解明する参考資料を得ることと,本センターの講座の研修企画に役立てることを目的として教育機器等に関する調査を実施した。

調査の内容は,・教育機器の所有状況,・視聴覚教育関係施設の設置状況,・教育機器の利用状況,・教育機器活用についての研修状況,・教育機器利用上の問題点についてである。

この調査は昭和52年12月現在で実施したもので,公立小・中・高等学校並びに特殊学校の全校(分校を除く)を対象とし,調査紙を配布して記入方式で行ったものである。調査紙の回収状況は小学校95%(537校),中学校96%(246校),高等学校99%(89校……定時制含む)特殊学校100%(16校……分校含む)で,大変よい資料を得ることができた。御指導,御協力いただいた教育庁各課,各教育事務所,各学校,担当の先生方に対し厚くお礼を申しあげたい。

なお,本号では教育機器・施設の所有状況の報告にとどめ,次号に教育機器の利用状況等の分析結果を報告したい。

2. 本県における教育機器の所有率・視聴覚教育施設の設置率はどうか

今回の調査で得られたおもな機器の所有状況の結果は<表1>の通りである。以下これをもとにして分析してみる。

<表1>教育機器視聴覚関係施設の所有率並ぴに1校平均所有数(昭和52年12月現在)
教育機器視聴覚関係施設の所有率並ぴに1校平均所有数

※ 所有率― 公費以外で購入したもの,寄贈によるものも含め,現在使用可能なものを対象として求めている。
所有校数÷回答校数×100
※ 所有数― 1校平均所有数を表わす。 所有校総所有数÷回答校数

(1) 所有率の高い機器と所有率の低い機器

<表1>をみるとテープ式録音機,電蓄,テレビ,OHP,音声放送設備,スクリーンが90%をこえ,それに次いでカメラ,8ミリ映写機,16ミリ映写機が高い率を示し,いわゆる古くからある機器の所有率が高いことがわかる。それに対して新しい機器ともいえる教材提示装置,映像放送設備,コンセプト映写機,反応分析装置,LLなどは30%を下まわっている。

(2) 学校種別による機器の所有率のようす。

主な機器・施設の所有率を学校種別にグラフ化したのが(図1),(図2)である。

これをみると小学校より中学校,そして高等学校へと全体としての所有率が高まっていくことがわかる。特殊学校は特異な機器を必要とし,このような一般的な視聴覚機器を中心とした調査だけでは比較できないが全体として不足しているといえる。

小学校は映像放送設備が,中学校は反応分析装置が高等学校はVTR,テレビカメラが,そして特殊学校ではコンセプト映写機が他に比較して高い所有率を示しているのを特徴としてあげることができる。

(3)機種ごとの普及のようす

ここには機種ごとの細かい調査結果を載せてないが,機種の型による普及のようすを述べると,テープ式録音


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