福島県教育センター所報ふくしま No.39(S53/1978.12) -018/030page
(図3) おもな機器の所有率の全国との比較 スライド映写機,0HP,テレビ受像機などがよく普及しているが,コンセプト映写機,テレビカメラ,VTR反応分析装置,シート式録音機などの所有率が本県も全国平均も低い。
また,20機種についての所有率の平均を求めたところ本県の小学校は51.2%で全国平均の50.8%を,同じく中学校は52.7%で全国平均の51.6%を,高等学校は60.6%で全国の57.0%をいずれも上まわっている。
ただ,所有校平均所有数の比較では20機種のうち小学校で14機種,中学校が16機種,高等学校で11機種で全国平均を下まわっており,所有台数では全国平均より劣ることがわかる。
5. 新しい教材基準からみた充足率ばどうか
文部省は新教材整備10ヶ年計画の発足に伴い,53年7月7日,新しい「教材基準」を発表した。その特色は「必要最少限のもの」となっていた従来のわくを「標準的に必要なもの」に改めて,基準対象の新品目(VTR・反応分析装置など)を加え,かつ必要度の高い品目(OHP,テレビなど)の基準数量を増量したことである。
<表4>は1部の教育機器について,この新しい基準をもとに学校規模別の充足率を示したものである。
ポータブル電蓄,スライド映写機は小中とも基準に近いが基準を上まわる充足率を示している。
OHPやテレビは先にふれたように所有率や1校あたの台数もかなり高いが,新しい基準をもとにするとまだ充分でないことがわかる。
6. おわりに
以上,本県の公立学校における教育機器,視聴覚施設の所有状況,設置状況について調査結果をもとに述べたが,紙面のつごうで説明不足や考察が充分でなく,わかりにくいところも多いと思う。詳細なデータや分析結果は後日,研究紀要にまとめる予定なのでそれを参考にしていただきたい。
<表4> 新教材基準にもとづく学校規模別充足率