福島県教育センター所報ふくしま No.39(S53/1978.12) -019/030page

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<研究報告> 昭和52年度 学校経営(B)講座

「月間学年経営計画を活用した学年経営」

郡山市立郡山第五中学校  落合 正義

1. 研究の趣旨

学年経営とは,学年の全活動をあげて教育目標の具現化をはかることである。そのためには,学習指導要領で「指導の効果を高め」・「指導の効率を高める」といっているように,「むだ」,「むら」,「むり」を排除し合理的でなければならない。さらに,学年の教師が学年経営に主体的に参加するタテとヨコの人間関係による学年の組織づくりに励まなけれぱならない。

これらのことをふまえて,教育目標の組織的,計画的,効果的な具現化をはかるためのきめ細かな手だてとしての「月間学年経営計画」を学年の教師が協力し合ってつくりだし,その活用をはかっていきたい。

従来の学年経営は学年行事などの企画や準備,企画委員会などからの伝達,報告などの連絡調整が主な仕事であるかの感があり,教育目標の具現化を積極的にねらった計画的,組織的なものではなかった。例えぱ,各学級の生徒たちが,「今週の道徳の時間にはなにをするんですか。」とか,「学級指導はどうなんですか。」といちいち学級担任にたずねなければわからなかったり,カットされる授業がはっきりしなかったり,毎日の短い学級の時間が単なる反省会で終わったり,学級でのいろいろな活動が計画性や見とおしの乏しい,場当り的なものであったりした。また,わたしたちの学年経営についての具体的な目標,見とおし,その目標を達成するための手だてがばくぜんとしていたし,当りぱったり,その場しのぎの感があるのを否定できなかった。それで,この研究主題を設定した。

2. 見とおし

「月間学年経営計画」を学年の教師が協力し合って作成し,これを活用していけば,教育目標の具現化がはかられるであろう。」

3. 研究の方法と対象

(1) 研究方法

 質問紙法,面接法,「月間学年経営計画」の活用

(2) 調査内容と対象


[1] 生徒の教育目標に対する意識調査
………………………第2学年生徒全員

[2] 学年経営方法に関する実態調査
……………………本校学年主任 2名

[3] 学級経営方法に関する実態調査など
……………………本校学級担任 18名

[4] 「月間学年経営計画」の活用に関する調査
…………………第2学年学級担任 6名

[5] 「月間学年経営計画」の活用後の調査
…………………第2学年学級担任 6名

(3) 本校の規模と職員構成

生徒数:770名,学級数1,2各学年6,3学年7,特殊学級1の計20学級,職員数男子教員24名,女子教員10名の計34名。

(4) 研究の手順

  研究の順序と日程


[1]  研究構想の樹立 6月

[2]  文献による研究 6月〜7月


その1 生徒の教育目標に対する意識調査
……………………………7月


その2 学年,学級経営方法に関する実態調査など
……………………………7月


その3 「月間学年経営計画」の活用に関する調査
……………………………7月

[4]  問題点の要因,調査,分析 7月

[5]  「月間学年経営計画」の活用 4月〜12月

[6]  調査


その4 「月間学年経営計画」の活用後の調査
…………………………12月


その5 生徒の教育目標に対する意識調査
…………………………12月

[7]  考察とまとめ ………………………………12月

4. 研究の結果と考察

(1) 教育目標,めざす生徒像,学年目標の現状とその分析

 [1] 教育目標

  英知……自ら考える力を養い,創造的な知性と技能を身につける。
  健康……体力の向上をはかり,明るい健全な


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