福島県教育センター所報ふくしま No.39(S53/1978.12) -021/030page

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 のでは困る。

(5) 学級会活動,学級指導などの展開の現状とその分析

 [1] 学級会活動,学級指導などについての調査

学級会活動,学級指導,道徳などを展開するのにいろいろな点で困難を感じませんか。感ずるとしたら,かんたんに書いて下さい。

 ア 感ずる………………29%

 ・教師間の共通理解をはかり,共通行動をとることができない。
 ・何をどう展開したらよいか迷う。
 ・事前の調査などの準備が必要なのだが,なかなかできない。
 ・教材研究がじゅうぶんにできない。

 イ 少し感ずる。………71%

 ・指導計画の不備
 ・指導の手順などがしっかりおさえられていない。
 ・学校行事などのために時間がとられる。
 ・学年での共通理解の上にたった指導ができないときがある。
 ・生徒と接する時間がじゅうぶんにとれないため,事前の準備がじゅうぶんにできない。

 [2] 結果とその考察

教育目標を具現化するのにひじょうに重要な役割を果たす学級会活動,学級指導などの展開にみんながなんらかの困難を感じているのは困ったことである。少なくとも,「教師間の共通理解をはかったり,共通行動をとることができない。」とか「何をどう展開したらよいかわからない。」などということがないように学年経営の基本となるものがぜひ必要である。

(6) 学年経営計画の整備と改善

 [1] 学年経営計画の整備と改善についての調査

現在のいろいろな問題点を少しでも少なくするために,例えば,別紙のような月々の学年経営計画があれぱよいと思いますか。また,つくるとしたら,だれがつくれば,よいでしょうか。

 [2] 結果とその考察

ほとんどの学級担任が,「あればよい。」と答えている。これは学級の経営上の基本となるものがはっきりせず,教育目標の具体化もじゅうぶんでないからであろう。その作成については,学年の各係の協力のもとに学年主任が行い,学級担任はそれを自分の学級の個性を生かして独自なものへつくりかえる。つくりかえるといっても,補足,削除,組みかえ程度のものである。

(7) 「月間学年経営計画」のしくみ

「月間学年経営計画」は,学年経営のめあて,日曜日,行事,道徳,学級指導,学級会活動,短い学級の時間,その他の8項目にわたってその月に計画されている学年の全活動が一目でわかるように表したものである。

 [1] 学年経営のめあて

教育目標が計画的に具体化されたもの,そのときそのときの学年の問題点,その処理のし方を月々の学年経営のめあてとしてわかりやすく表した。

――例―― 10月の学年経営のめあてのつくり方

ア 教育計画が計画的に具体化されたもの

・「英知」………落ちついて勉強させるため,教育相談をとおして,ひとりひとりの生徒の勉強のし方について診断してやる。

―指導の場と手だて―

学級指導………充実した学習(その1) 「学習の計画とその方法の検討」
          充実した学習(その2) 「調和のとれた学習」

短い学級の時間………学級指導との関連

ひとりひとりの生徒の学習のし方についての反省点をまとめて発表させる。

・「奉仕」………学級でのいろいろな活動でひとりひとりの生徒の役割を再認識して,責任をもってやりとげる態度を身につけさせる。

―指導の場と手だて―

学校行事………(教室などの大掃除をする日)  毎月15日ころ

・「健康」………お互いのラポートがいっそう深まる時期なので,「文化祭の準備」「校外学習」(いも煮会)を活用して学級のまとまりに役立てたい。

―指導の場と手だて―

生徒会行事……「校外学習」,「校内文化祭」
学級会活動……「校外学習の準備」
短い学級の時間……合唱コンクールの練習

イ そのときそのときの学年の問題点とその処理のし方

・「男女の協力態度の確立」……お互いに助け合い,協力し合う態度をいっそう伸ぱしたい。

―指導の場と手だて―

道徳……「男女の協力」その1,その2
清掃……毎日の清掃活動

[2] 行事

50分授業かどうか,カットされる校時,全校朝会,学年朝会,中間,期末テスト,週番引継ぎ,学年の生徒に直接関係のある校内外行事などをわ


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