福島県教育センター所報ふくしま No.40(S54/1979.2) -017/030page

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調査 3
 研究への意欲
○ 研究を進めるうえで,意欲が停滞することがあったら,その原因をあげてください。
 ア.校務が多忙なため,研究に集中できない……8人
 イ.研究者の一員として共通の立場に立てない…2人
 ウ.研究の意欲を持たせる配慮がたりない………2人
 エ.グループの和に神経を使う……………………1人
 オ.主張を出せば,負担になることが多い………1人

〈考察〉

テーマについては,賛意を表しているものが多く,一応討議を尽くして設定されたこと,あるいは授業に直結しており,現在必要感をもつ内容であることに好感を持つものが多い。

しかし,調査1,2を通して共通理解が必ずしも個々の職員に納得されていない面もあり,テーマの読み取りや研究への取り組みに関しての説得力の弱さが感じられる。

授業研究については,職務として当然のことと受け止め,授業者としてことさらに重圧感や逃避感をもつものが少なく,研究を自分のものとして受け止めようとする姿勢などからも,研究に対する意識は総体的に高まっているものと考える。

研究意欲が停滞する原因として,「ア」に見られる集中できないとする問題は,もっと集中して取り組みたいという願望ともとれ,多忙のため意欲が持てないという見方はあたらないと考える。むしろその他の少数意見にあらわれた消極的な意識に関して,心おきなく話し合えるふんいきづくりや意欲を盛りたてる職員間の融和の問題を見逃すことはできない。

[2]研究推進上の問題について

調査 4
(1) 組織活動についての問題点をあげてください。
 ア.主任まかせの感が強い。…………………3人
 イ.研究のきびしさに欠ける。…………………2人
 ウ.組織の連携が不じゅうぶんである。………2人
 エ.共通理解ができていない。………………1人
 オ.割り当て主義が多い。……………………1人
 カ.形式的に流れやすい。……………………1人
 キ.主体的な活動がしにくい。…………………1人

(2) 授業研究実施上の問題をあげてください。
 ア.授業研究のねらいが,不明確であることが多い…4人
 イ.観点などについての共通理解がたりない…………3人
 ウ.事前,事後の研究に深まりがたりない……………3人
 エ.テーマと授業との関連が十分でない………………1人

(3) 研究計画についての問題をあげてください。
 力.研究時間がたりない。…………………………5人
 イ.見通しが弱い。…………………………………4人
 ウ.授業研究にかたよりがちである。………………4人
 エ.共通理解がたりない。…………………………2人
 オ.内容が多く,処理が困難である。………………1人
 カ.自主的態勢がとれない。………………………1人
 キ.研究の一貫性に欠ける。………………………1人

(4) 研究時間についての問題をあげてください。
 ア.会合時間が思うようにとれない。……………8人
 イ.勤務時間内に,自分の研究ができない。……7人
 ウ.校務が多く,研究時間の確保が難しい。……3人

 (5) 指導や助言についての問題点をあげてください。
 ア.同じ内容の研究校との交流がもっとほしい………5人
 イ.指導助言が型どおりで型式的になりやすい……3人
 ウ.適切な指導がなく,自己流に空転している。……3人
 エ.意欲を持たせる助言の工夫がほしい。…………2人
 オ.質の高い指導助言が少ない。……………………1人
 カ.新任者への配慮がたりない。……………………1人
 キ.形を整えることだけに終始している。……………1人

〈考察〉

(1)の組織上の問題については,回答が多項目にわたっており,特定の項目に目だってかたよっていないのは,無回答の7名も考え合わせて再編成などの重大な欠陥は見られないものと推察できる。しかし,全般的に見てリーダーの活動と一般職員の活動のアンバランスな感じや各分野,各係の有機的な活動のあり方に対して、やや批判的であると考えられる。


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