福島県教育センター所報ふくしま No.40(S54/1979.2) -019/030page
各係の主体的な活動が推進できるよう,活動内容や系統を明確にし,推進委員会の調整機能が適切に働くよう,次の諸点を重点に組織運営の再検討を図った。
○ 学校経営機構は,校内研究体制を主軸として構成されたものであることを確認する。
○ 研究推進委員会をかなめとし,各部門,各係の協議は常にステップをふんで開催し,各リーダーを通して縦の系統,横の連携に一層の緊密度を加える。
○ 基本的事頃の研究部門(理論研究・授業研究資料作成)と,実践部門(低・中・高学年ブロック)が常に研究の両輪としての提携を保つようにする。
○ 班別研究,ブロック研究及び教科研究,学年会での実施内容を明確におさえ,それぞれの主体的活動を促す。 人数の関係から,1職員が2〜3部門に所属することになるが,小単位の1研究員としてでなく,各部門の構成員としての研究員という立場から,関連的な発言がなされるようになり,段階を経た審議によって協議事項が末端に滲透して,共同研究にありがちな感違いや独走などのトラブルは比較的少なくなった。
イ. 研究の全容をとらえ研究計画の具体化を図る
研究の経過から見て,現在の活動がどの程度に積み上げられ,研究がどのような理論に結びつくのか,そしてどのようにまとめられるのかについて具体性を欠いている。研究計画がある程度進ちょくした段階においては,もう少し明確さが望まれると考え次のような対策を実施した。
○ 理論班を中心に,探究過程による学習理論について学習会をもち実践を裏付ける研究の足固 めを行う(研究協議会)
○ 研究の過程をふまえて,各研究班の全体構想に修正を加え,望ましい結論を導くための具体 的な見通しをたてて全体協議に付す。(研究班)
○ 理論にのみ走ることなく,実践研究の立場を認識し,実施内容を取捨選択してねらいに迫る 方向性を常に堅持する。(ブロック研究)
○ 研究活動の全容を展望できる研究の段どりやスケジュールを作成する。(研究推進委員会)
○ 実践過程の成果及び問題点についての記録を累積し,研究の進ちょく状況をおさえるととも に,フィードバックにつとめる。 研究が進められる過程で,推考が逐次拡大し実質的な活動と遊離して展開することが多い。研究計画に手を加えたことにより,こうした懸念を払しょくすることができ,実践のかたわらまとめるための資料を意識的に蓄積したり,次の過程へ発展するための事前準備を心がけるなど,多忙のなかにも安定した歩みが感じられるようになった。
また,波状的に持たれる会合にも,比較的無理なく協調する態度がみられた。
ウ. 研究時間の設定にくふうを加える。
研究活動における最大の関心事は研究時間確保の問題であろう。特にメンバーの錯そうする各種会合の機会を,いかに設定するかが研究の推移に大きな影響をもつことを考え,次のような方法を実施した。
○ 事前事後の研究を含めた全職員による授業研究は実施総回数の半分にし,残る半分はブロッ ク内研究とすることにより研究時間の効率化を図った。
○ 集中的に取り組むために2〜3週間の日数をとり授業研究を中心とする研究期間を設けた。 この期間は極力他の活動を組み入れないで,研究に専念できるようにし,こうした研究の山場 を第1次(6月)第2次(9月)第3次(11月)と3回実施した。もちろん研究内容も累積して 逐次研究次元が高まるよう配慮した。
○ 諸会合を位置づける場合,少なくとも月別に予想される協議内容や他との関連などを洗い出 すようにし,会合のもち方を合理化するとともに,定例会のみで処理しきれない事項について は支障のない限り諸活動の口程や内容を精選調整し,校内研究が常に脈打つ日程を組むように 努力した。
○ 夏季休業中に学年ブロックごとの日直当番を人れるなど,数回研修日を設け自主的な研究会 をもって二学期の活動に備えたり,教材,資料作成につとめた。
○ 終業式,始業式、あるいは遠足の日など、1日