福島県教育センター所報ふくしま No.40(S54/1979.2) -020/030page
行事終了後の時間の活用が望まれ全体協議会等を行ったが,比較的腰を据えた会合をもつこと ができた。
○ 諸会合のもち方を能率化するために,随時主任会を招集し,事前検討や下打ち合わせを行い 実質的な会合が開けるよう心がけた。
○ 連絡黒板や放送施設を常時活用し,連絡や伝達のために会合時間を裂くことを極力防止した。 このような対策の結果をふり返ってみると,週計画に位置づけられた定例会を追うことにより,研究は適切に進められるべきであるが,この原則をふまえながらも,なお状況による弾力的な会合日程のとり方がむしろ受け人れられたように思える。
ことに研究期間の設定は実効があり,期間中の研究活動に予想外の盛りあがりがみられた。勤務外の時間を食わないように,長期休業期間や余剰時間をがめつく活用したが,女教師の側からはやむをえない方策として特に異論はでなかった。
エ 実践に対する評価と,適切な指導助言をくふうする。
実践内容が,ともすればひとりよがりに終始し,適切な助言も得られず常に不安感を抱くことが多い。研究への取り組みに個人差ができたり,リーダー依存や独走といった形も,評価機能の弱さにその原因があると思われ,次のような手だてをとった。
○ 研究の推進役に尊門教科の担当者を充てると研究は進めやすいが,リーダー依存の当事者任 せといった傾向が生まれやすいと考える。
研究に全職員共通の問題として取り組むためにも,研究組織のうえでは意識的に「専門教科担 当者,即リーダー」の形を避け,側面的なサービス係の役割をもたせることにした。
その結果推進役からの指導といった感じてなく,研究仲間としての助言を気軽に受けることがで き効果が認められた。
○ 本校の研究に関連した他校の研究会への積極的な参加をすすめ2か年にわたり全職員にその 機会を与えて視野を広めるようにした。
研修の結果はプリントにまとめて配布したり,研究協議会の際に事例として報告され大きな収 獲となっている。
○ 造詣の深い他校の先生を,低,中,高学年にそれぞれの指導助言者として委嘱した。
専属捕導者として,年間一貫した指導を受けるとともに,適正な評価を受けることもでき研究 の支えとなった。
○ あらかじめ予定されていた研究発表会には,研究内容についてより多くの指導を得るために, 方部の学校や広く関係者に呼びかけ,ブロック別の研究内容の審議に重点をおいて実施した。
広範にわたる意見や激励,助言もあり研究の意義や価値をあらためて認識することができた。
○ 校長,教頭の立場から,研究運営上の難点について率直な示唆を送るようにつとめ,特に推 進役の助言指導のあり方について随時話し合った。 5.今後の間題
研究発表会を機会に,研究体制はかなり充実し,個々の研究内容も高まりをみせたが,ひとつひとつの実践にあたり障害となる事項が常に付随してくるものである。研究をより効果的に推進するための閉題として次の点をさらに考察してみたい。
(1) 研究体制が強まるほど諸会合の回数が増え,放課後の学級指導の時間が制約される。追指導や児童と のふれ合いの場を,どう求めるか対策が望まれる。
(2) 研究会や諸会合での指導は総括的なものになりやすい,研究員が求めるものは,それ以前の原案作成 段階における助言であることが多い。この段附での推進役の実質的な指導助言のあり方が問題視される。
(3) 研究の成果は児童の学習に対する反応や取り組む態度あるいは諸調査の結果等から余程察知できるが、 これと対応する研究活動そのものの評価を検討したい。 6.参考文献
(1) 教育研究の実践 福島県教育センター編
(2) 初等教育資料 文部省小学校教育.課編
(3) 研究のすすめ方 県教育庁義務教育課編
(4) 校内研究ハンドブック 藤原藤祐編著