福島県教育センター所報ふくしま No.40(S54/1979.2) -021/030page
〈研究報告〉昭和52年度学校経営(A)講座
診断評価による学校経営の改善方策
南郷村大宮中学校 酒井 英光
(53.4.1 統合により校名が南郷村立何郷南郷中学校となる)1.研究の趣旨
本校は教職員15名,7学級(特殊学級1)生徒数177名の小規模校であり,地域の教育的関心度は高く,PTAの援助活動もすばらしい。教師もまた協力的であり,組織の面では申し分ない。
しかし学校経営における経営評価の現状は,年に数回それも多忙な時期に集中的に行われている。
更に反省意見についても十分討議し,共通理解を深め,改善策として意志の統一を図るという点まではいっていない。
その理由として
(1) 提出時期が悪く,共通理解をはかれない。
(2) 到達度の度合い及び努力の結果は,客観的にとらえられていない。
(3) 反省資料について,短時間の話し合いのため,改善策を出すことがむずかしい。 このようなことから,経営活動においてどのような評価を行えば,個人としての反省評価を組織的活動にまで高められるか。学校評価の方法,時期等においてもあきらかにし,学校経営の改善をはかりたい。
2.見とおし
全職員による学校経営診断評価を実施することによって,問題点が明確になり,学校経営参加に対する意識の高まりが期待できるであろう。
3.研究の方法と対象
(1) 研究方法
[1]学校評価の実践事例の文献研究
[2]本校の実態に即した学校評価の実施と結果の分析検討
[3]学校経営改善の立案(2) 研究対象
[1]学校経営の各分野と本校の努力目標
[2]本校職員115名(男子11名,女子4名)4.研究の結果と考察
(1)学校評価の方法,評価対象,評価領域のとらえ方
[1] 方法
学校評価の方法については,次の三つが考えられる。
ア.語し合い。
イ.アンケート法。
ウ.字校評価基準を利用する。学校経営過程に位置づけられる評価は,より包括的であり,より客観的であること。教職員全員の考え方がでていることの二つの条件が必要であるといわれている。評価の方法は,ウの方法が最も望ましい。
[2] 評価対象
学校における諸活動は,、評価の対象として,経営活動と教育活動に分けられる。
ア. 経営活動……(教育条件の整備,教育条件,組織の経営活動) イ. 教育活動……(教育課程の3領域の指導活動,3領域以外の指導活動) 経営活動と教育活動に含まれるそれぞれの領域は,相互に有機的関連をもって実際の活動が行われているので,経営活動と教育活動のすべての領域を包括的に同時に評価することが,学校評価の最も望ましい姿である。
[3] 評価領域
学校評価の対象を,教育条件,組織の経営活動と3領域の指導活動とし,その活動の領域をつぎのようにおさえた。
ア.教育条件,組織の活動 イ.3領域の指導活動 ●教育目標 ○教育計画