福島県教育センター所報ふくしま No.41(S54/1979.6) -007/038page

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小・中学校教材

付磁・消磁器の製作

科学技術教育部 小荒井 要

 古い磁石が弱くなったまま,備品戸棚の中に放置さ されている様子をよくみかけることがある。

 この弱くなった磁石でも,新品同様の強さに再度 付磁することができる。今回まその付磁器の製作方 法二題を紹介する。

 その一つは,整流電源を利用する場合,他の一つ は,整流回路内蔵の付磁器である。

1.コイル巻き枠と,コイル巻きの方法

(1) コイル巻き枠(ボビン)

 図1のように,塩ビパイプの両端に塩ビ板を接着 して作る。その寸法は,市販の教材用棒磁石,U型 磁石のすべてを挿入できるように,塩ビパイプの内 径は2.6cm,長さは9cmとする。

なお,塩ビパイプの外径は3.2cm程度がよい。

図1 コイル巻き枠と,コイル巻きの方法
図1 コイル巻き枠と,コイル巻きの方法
(注)図の7mmФの穴はターミナル取り付け用のもの。ターミナルをつけていない場合は、 2mmФ程度の小さい穴でよい。

(2) コイル巻き方法の工夫

 コイル巻き装置は大変高価なので,入手は極めて 困難と思われる。

 もちろん,200〜300回程度の巻き数であれば手巻 きでもそう困難ではないが,数千回の巻数となれば, 手巻きの方法は安易にすすめることはできない。

 そこで,ここでは電気ドリルを回転動力源に使う 便利な「電動コイル巻き」の方法を紹介する。

 図2に示すように,電気ドリルは万力で固定し, スライダックを用いて低電圧(20〜40ボルト)で駆 動する。

 また,コイル巻き枠は図3の要領でドリルに取り 付ける。

 線ドラムは,2本のスタンドで滑らかに回転でき るように設置する。

 これで,即成の電動式コイル巻き機ができあがっ たわけである。

図2 電動ドリルを使ってコイルを巻く
図2 電動ドリルを使ってコイルを巻く

図3 コイル巻き枠の取り付け
図3 コイル巻き枠の取り付け
木棒をコイル巻き枠に挿入し,これをドリルにはめ込む。

 これでも,市販のコイル巻き装置(手動)より, 調子よく,楽に巻くことができるので,ぜひこの方 法をおすすめしたい。

・図4は,実際にコイルを巻いている様子を示している。

・なお,スライダックがない場合は,図5のように 60ワット程度の電球を直列に接続する方法でも充 分である。


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