福島県教育センター所報ふくしま No.41(S54/1979.6) -009/038page

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層数では16層となる。コイルをきれいに巻くために 2層おき毎に,ガムテープを巻きつけるとよい。

 また,最終の16層目のコイル巻きは,端から端ま で一杯に巻きつけるのではなく,両端は1cm程度あ かすと仕上がりはきれいになる。(図7)

 また,こうすることで巻き線の巻き方向がわかっ て,特に教材として利用する場合に好都合である。

 なお,コイルをきちんと巻くことが厄介であると いう場合は,ガラ巻きでも結構である。

 ただ,この場合は巻教がわからないので,巻き線 の目方で280mを判断するしかない。0.6cmФ,280m のフォルマ線は,おおよそ680gである。

 次に,でき上がったコイルは18cm×llcm×4cm程 度(目安であって,これにこだわる要はない)の箱 に4本のL金具で,しっかりと取り付ける。

箱は木製でもよいが,手頃なアルミ・シャーシも市 販されている。

 箱の中には,部品を取り付け配線する。(図9)

図9 箱の中の実態配線図
図9 箱の中の実態配線図

図10 コイルの極性と同じように付磁される。
図10 コイルの極性と同じように付磁される。

(使用法)

 ○付磁

 切り換えスイッチを2側(DC)に倒す。 付磁しようとするものをコイルの中に挿入し, ボタンスイッチを1秒間程度押して電流を流してやると,これで,付磁は 完了である。

 この場合,付磁された磁石の極性は,付磁コイル の極性と同じである。(図10)

 ○消磁

 切り換えスイッチを1側(AC)に倒す。 ボタンスイッチを押し乍ら,消磁しようとするもの をコイルから引き抜く。これで,消磁は完了となる が,この場合,引き抜き方が速や過ぎると消磁は不 完全となる。

(注)電流によって,コイルが発熱するので長時間電流を流さないこと。

3.整流電源装置を用いる場合

 前述のように,装置の中に整流器を内蔵させるの ではなく,手持ちの整流電源装置を利用しようとい う方法で,単にコイルを巻くだけでよい。

 コイルは,700回巻き,13層で,5Aの電流を流 して使用する。

 必要な電気部品は

・ジョンソン・ターミナル 2こ (赤,黒)

・1mmФ フォルマル線90m

 理振法規格の電源装置では,直流の場合の最大電 流は5アンペア程度だから,これを最大限に活用す ることにして,コイルの直流抵抗を2オームと選ん で10ボルトの電圧で使用することにする。

 いま,1mmФのフォルマル線を用いるとすれば, 2オームの抵抗を得るには90mのフォルマル線を必 要とする。

 これを,前記因1のコイル巻き枠に,きちんと巻 けばおよそ700回巻き,層数は15となる。

これでも,6,000A/m程度の磁界が得られる。

1mmФのフォルマル線を用いるので巻きやすいが 4層目,6層目, 8層目にガムテープを巻きつけて きれいに仕上げる。

 また,最終回の層では,魂から魂まで一杯に巻く のではなく,両端を1cm程度あかすと一段と仕上が りがきれいである。

(使用法)

 付磁の場合は,コイルを電源装置に接続して,5 アンペア程度の直流を流す。通電時間は前述同様に 1秒程度でよし。

 消磁の場合は,交流を2アンペア程度流し乍ら, 消磁しようとするものをゆっくりと引き抜く。


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