福島県教育センター所報ふくしま No.42(S54/1979.8) -009/034page
3.工作の手順
(1)コンロのダンバー用のブリキ板をとりはずす。
コンロの下方にあるダンバー穴を利用して,そこに端子をとりつけるので,不要なブリキ板を剥がすわけであるが,保護用の板は写真のように金切りハサミで切った方がよい。
写真5 ブリキをはずしたダンバーロ
(2)内壁にマジックでニクロム線を入れる溝を描く。
溝は全部で4個の山ができるようにし,ダンバー穴の箇所がちょうど端子になるから,端子近くの溝は谷になるように設計する。山や谷の配置は,周囲に8つの穴があいているので,これに間隔を合せ,山の高さは上のふちから4.5cm,溝の高さを7cmくらいにする。
写真6 マジックで溝を描く
(3)溝を堀る。
コンロは珪藻土によりできているので柔く,ナイフや大工ノミ等の類でも容易に切削ができる。溝はニクロム線がすっぽり入るくらいの一定の深さに切削するが,珪藻土はもろいので,よけいな箇所まで剥がれないように繊細な注意が必要である。
写真7 溝を堀ったところ
(4)端子の大きさをきめる。
ダンバー穴にL型コード端子をあてがって,絵筆で型どりをする。
写真8 端子の型をとる
(5)端子をうめ込む溝をつくる。
埋め込んで同一平面になるだけの溝をつくる。切削する場合,初めから深く削らず,輪かくをナイフで切りこんでからノミで削りとる。
写真11 端子の埋め込み溝
(6)L型コード端子を取りつけてみる。
端子を取りつけても,ぐらつかぬよう切削の微調整が必要である。
写真10 端子を取りつけてみる
(7)電源からニクロム線への模擬配線
ニクロム線と中継端子,銅線(コードの被覆を剥いだ線,約6cm),L型キャップ,耐熱プラグ,そしてコード,コンセントキャップを接続してみたのが写真11である。実際の場合にはニクロム線は窯内の溝の長さに合わせて伸ばし,中継端子は写真12のようにダンバーロ(こう)の下に配置され,そこから銅線によってL端子に接続されるようになる。
写真11 模擬配線
(8)ニクロム線の配線と端子接続
溝の長さに伸ばしたニクロム線を配線したのが写真12である。最初,くせのないうちに,きちんと配線することが肝心である。また熱せられたニクロム線が外れぬよう,要所に素焼鉢などのカケラを詰めるような工夫が必要である。
写真12 ニクロム線の配線