福島県教育センター所報ふくしま No.42(S54/1979.8) -0023034page
ア 具体物の操作のできる子は,事後テスト・は持テストの正答率も高い。事後テストでの筆算形式の原理・手順の誤りは、下表(表5)のような結果であり,お金の操作は,除法の筆算形式の原理・手順を理解させるのに適切であった。
(表5) 事後テストの筆算形式の原理・手順の誤答
誤答の内容 実人数
問題数
商の立てる位 3(人)
4(題)
商の立て忘れ(0) 6
11
おろす 6
10
合 計
9
25
誤答率 25×100/30×40 2.08%
イ 有効度指数から考察すると,一応の効果が認められる。
ウ は持率から考察しても,一応の効果が認められる。
エ 除法の筆算形式の原埋・手順を,一度正しく身につけると,計算のし方を忘れることが少ない。具体物の操作をとおして指導すると,この形式のイメージ化が強くなされ,理解を深めるのに効果があると考えられる。
2 結 論
具体物の操作だけを取り出して結論づけるのは無理であるが,お金の操作を,操作板を用い,筆算形式と同し形式で操作させ,数の操作と結びつけたことは,除法の筆算形式の原理・手順の指導に,一応の効果が認められた。
5.反省と問題点
(l)具体物の操作を,個々の子どもの力に応じて取り入れていく配慮が必要である。
(2)具体物の操作を,「いつ」「どのように」させるかは,筆算形式のパターンによる子どもの抵抗の程度を知って,また,子どもの日常の学習での操作等の実態をは握して決める必要がある。
(3)具体物の操作をとおして理解させることは有効であるが,さらに十分な練習をさせ,より速く,より正確な計算力をつけていくことが必要である。
6.検証に用いた問題
※( )内は,は持テストに用いた問題
7.参考文献
教育研究法序説(県教育研究所)
算数教育現代化全書(金子書房)
算数指導のポイント(日本数学教育学会)
教育研究法講座報告書(教育センター)
算数教育(明治図書)
現代数学教育事典(明治図書)