福島県教育センター所報ふくしま No.42(S54/1979.8) -025/034page

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言 語 障 害 児 の 指 導


―サ行音を中心とした発音指導―

浪江小学校  小川  兼太郎


1.はじめに
 1年生全員を対象とした「言語検査の結果」によると下表の通りである。(資料1)

被 検 査 数

213人
特別の指導を要する 発音異常(サ・夕・ラ行)

8

17

舌小帯硬着に伴うラ・リャ行吶

3

吃音(難聴性)

2

言語発達の遅れ(全体と不明瞭)

4

発音指導を要する 発音異常・・・・・サ行吶

3

20

      ・・・・・ラ行吶

3

全体に不明瞭

5

発声不良

9


      出現率 7.98%
特別の指導を要する言語障害数

 特別な指導を要する児童について過に1回(1回の指導時間45分)を実施した。ここではサ行,シャ行音の発音異常に対する実践から,構音法を中心としたものを記した。発音指導は言語環境を改善し,積極的な言語生活を育て,場や相手に応じた適切な言語活動ができ,正しく美しい表現にも意を用いられるようにすることが終極のねらいと考えている。しかし,紙面の都合で,技術面の指導のみにしぼって記した。

2.指導の概要
1 S・∫行音の障害を次の4つの原因と考えられるものに分類し,それぞれに指導方法を決めた。
  ア.構音器官の機能不良 イ.摩擦音の呼気量
  ウ.構音法不良     エ.聞き分け能力
 ※資料2(サ行音の原因別指導法)参照
2 S・∫行音の構音法が習得しやすいように舌先の動きを中心として子音の習得順泣を次のよ うにした。
 ・母音(i)→(y)→(∫)→(z)→(s)
3 s行音の指導に当っては次の段階とした。
  ア.子音sの構音法の習得
  イ.s+a=sa=‥‥…サ行音の正しい発音
  ウ.習熟をはかる。
    単音→ 連音
  エ.サ行音を使った単語のれんしゅう
  オ.同短文れんしゅう
 次の※「発音練習用テキスト」(自作)を使用し,自分で学習できるようにした。
  カ.音読,日常会話の指導
※(練習用テキスト)の一部
  語   頭 語   尾 語   中

ざる

ざくろ

ざせき

ざっし

ざしき

ざいりう

ざぶとん

ひざ

ござ

あざ

せいざ

はやわざ

かるわざ

いざこざ

さざえ

たーざん

ひざし

かんざし

たしざん

かざん

ばんざい

ず・づ ずが

ずっく

ずぶぬれ

ずきん

ずけい

ずめん

ずかい

ちーず

れんず

ちず

あいず

なまず

かみくず

すず

ねずみ

すずめ

あずき

いずみ

せきずい

しずか

まずい

     

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