福島県教育センター所報ふくしま No.43(S54/1979.10) -003/034page

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   ゆえに,□=5+3という逆思考が必要。しかし子どもは現実的で,一度食べたみかんはもとにもどらないと考える。

(2)中 学 年
子どもの特性 つ ま ず き
 用語や記号の意味が漸次理解されていくが,まだふじゅうぶんで一般的概念的理解に達しない。  正方形やひし形の位置をかえると別な形に見える。
 図形を感覚的にとらえているためである。
 言語能力も漸次発達するが,表現力,読解力ともまだふじゅうぶんである。  文章題を解いて答えを出せても,その理由を明確に説明できない。長い文章になると,明確に読みとれない。「これ」とか「それ」という指示代名詞が何をさしているか理解困難である。
 図解や具体物などの直観や操作を通して学ばせる必要がある。  線分図,情景図や面積図半具体物などを用い,具体から抽象へ,抽象から具体への橋渡しが困難である。
 思考が局部的に反応し全体的構造的な場のは握に困難を感ずる。  特に数量関係の問題で,全体をとらえず,局部だけに目をつけて解答を得ようとする。
 形式にとらわれて意味の理解をおろそかにする。  23.5+3.46を計算するのに
 23.5
+3.46
 整数の加減と同じように末位をそろえた。
 直接結果を求めようとする傾向が強く,思考過程を反省したり,観点変更が困難である。  答えを求めることにのみ心が傾き,検算や,立式の思考過程を反省しない。
 帰納や類推によって一般化することができるようになるが,根拠が薄弱である。  ある年の5月20日は日曜日でした。その年の9月1日は何曜日ですか。解答が出ても自信がもてない。

3 つまずきの事例

 2では,一般的な子どもの特性とつまずきについて述べたが,ここでは算数のつまずきについて,さらに,集約し,具体的な事例をあげ考察する。

低 学 年
(1) 目的意識あるいは問題意鼓が継続しないためにつまずく。
○のかず
△のかず    
×のかず × × × × ×      

(2) 児童の経験の裏づけがじゅうぷんでないことばや記号でつまずく。
19
18
    
16
あいている箇所に数字を入れる問題だが1と答える子どもが多い。この形式を解く問題の経験が少ないためと思われる。19−18とみてしまう。

(3) いくつかのことを関連的に考える必要のあるところでつまずく。


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