福島県教育センター所報ふくしま No.43(S54/1979.10) -011/034page
理や興味関心について十分知っておき,聞いたり,話したりするとよい。
(3)英語を話そうとする意欲を起こさせる。
生徒に英語を話させるためには,英語を話さなければならない必要な場合を設けたり,英語を話そうとする意欲を起こさせたりすることが前提になる。
そのためには,教師自身が努めて英語で生徒に指示を与えたり,問いを発したりして,英語を話させる必要や意欲を常に引き出すことが大切である。生徒に英語を話そうとする意欲を起こさせるためにはまず,教室という場面を最大限に利用すること。そのためには,教室の中になんでも気軽に話せるというのんびりした雰囲気を作ることも大切である。(4)話す内容を選んで表現を工夫させる。
例えば,教師がある事について尋ねると生徒は話すべき内容について,いろいろ考えるがすべてについて答えるほどの力は持ち合わせていないので,知っている英語で話せることを選び出し,話す努力をすることになるが表現についてはいろいろ工夫するように指導することである。例えば,1つの表現についてもいろいろな表現を工夫させる。途中でつかえた時は,“Well.”とか“Let me see.”とか使えるようにさせたり,間をおくため“Please.”とか“Thank you.”なども使えるように習慣をつけさせたい。(5)生徒の能力,適性等に応じて言語活動を行わせること。
生徒の中には発言が積極的な者,消極的な者,英語に関心の高い者,低い者,学力が高い者,低い者等多様である。したがって,言語活動を行わせるには,できるだけ生徒の性格,興味関心,能力,適性に応じて行うことが大切である。(6)言語活動を行わせる形態を工夫する。
生徒に対し言語活動をできるだけ多く行わせるためには,生徒はそれぞれ多様であるから,その進め方にもいろいろ工夫が必要である。例えば,教師が生徒に話しかけるばかりでなく,生徒も教師に話しかけるようにすること,二人一組のペアを作っておくこと,5名〜6名のグループを作っておくことなど,少しでも多く聞いたり,話したりする場面を経験させることがよい。6 新学習指導要領における「聞くこと,話すこと」の言語活動
このための基本的指導事項として,次のようなことが考えられる。
ア 話題の中心をとらえて,必要な内容を聞き取ること。
(ア)事柄や話の大体を聞き取ること。
(イ)相手の話の要点を聞き取ること。
(ウ)話の内容を要約して,聞き取ること。
(エ)話の内容を再編成しながら聞き取ること。
(オ)事象,感想,意見を聞き分けること。
このための基本的指導事項として,次のようなことが考えられる。
イ 話そうとする事柄を整理して,大事なことを落さないよう話すこと。
(ア)場面や相手を考えて話すこと。
(イ)話す目的に応じて,時間,順序を考えて話すこと。
(ウ)順序を考え,要点を考えて話すこと。
(エ)話題をそらさないように話すこと。
(オ)必要に応じてメモをもとに話すこと。
(カ)事実や他人の意見,自分の意見など区別して話すこと。
このための基本的指導事項として,次のようなことが考えられる。
ウ 相手の意向を聞き取って,的確に話すこと
(ア)よく聞くこと(終りまで聞くこと)
(イ)相手の話の内容を受けて話すこと。
(ウ)疑問があったら質問し,理解しておくこと。
(エ)流れをつかんだら予想しながら聞くこと。
(オ)聞き取ったことをもう一度反芻してみること。
(カ)適切な音量で明確に話すこと。
(各具体例ア,イ,ウは紙面上略)
<参考図書>
- 高等学校指導要領外国語編及び指導資料(文部省)
- 高等学校学習指導要領の展開外国語編(明治図書)
- 言語活動の進め方・考え方(大修館)