福島県教育センター所報ふくしま No.43(S54/1979.10) -015/034page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

ねらい 1 年 2 年 3 年 担当者の仕事 関連行事等
4 新しい生活への適応 ・性格検査
・個人調査票の作成
・父兄面接
・個人調査票の作成
・父兄面接
・個人調査票の作成
・父兄面接
・相談室の整備
・相談室のPR
・検査・調査の計画・決定
・外部機関との連絡
・入学式
・対面式
・PTA総会
・健康診断
5            
 ※ この例は全日制普通科高等学校である。

3 相談室のP・R

 教育相談室は,教師と生徒の意思と感情が交流できる揚であり,また,話し合ったことの秘密が保障される場でなければならない。そこで,相談室はあくまでも話し合いの場であり,取り調べや,一方的な説教の場ではないことを,十分P・Rする必要がある。
 生徒が相談室を利用し,相談することによって,相談した喜びを感ずるまでには至らないにしても,少なくとも,不満や失望を残さないようにしたいものである。このためには,相談室について,次のようなアンケートを準備し,回答を求めることにより,生徒の意識の程度を知ることができるし,相談担当者自身の反省にもなり,生徒に今後どう働きかけていくべきかの指針も得られるであろう。

          相談室アンケート
 相談室では皆さんが,相談室について,どのように感じているか,何を希望して
いるかを知りたいと思います。
 そこで,下の質問に対して,自分の思った通りをそのまま答えて下さい。これら
は,皆さんの意見によって,今までよりもっとよい相談室をつくるためのものです。
皆さんの成績とは関係ありません。
思った通りの番号を1つ選んで口の中にその番号を書き入れて下さい。
「I」……今までに,相談室を利用したことがありますか。
□ 1. ある
  (「I」(ある)の場合,何回ぐらいご利用しましたか? ○印をつけて下さい。)
      (1回,2回,5回,6回以上)
  2. ない
「I」の質問に 1 と答えた人

「II」相談室に行こうと思った動機は…
□ 1.相談室なら秘密を守って,
   相談に乗ってくれると思ったから。
  2.相談するのにちょうどよいと思ったから。
  3.他に相談したが,解決できなかったから。
  4.友人,家族に勧められたから。
  5.先生に行くように言われたから。
  6.その他(      )

「III」相談室へ行って,問題は解決しましたか。
□ 1.問題が解決してすっきりした。
  2.問題はすっかり解決したとは言えないが,
   何となく自信・勇気がわいてきた。
  3.あまり変化はなかった。
  4.はとんどためにならなかった。
  5.行かなければよかった。
  6.その他(      )

「IV」今後また,問題が起こったら…
□ 1.すぐ相談室へ行こうと思う。
  2.多分行くだろう。
  3.行くかもしれない。
  4.あまり利用する気がない。
  5.絶対利用しない。
  6.その他(      )

「V」学校に相談室のあることについて
口 1.生徒がよりよい学校生括を送るため,
   是非必要である。
  2.問題があってもなくても,カウンセリングを
   受けることは,よい経験である。
  3.あった方がよい。
  4.あまり必要ない。
  5.絶対いらない。
  6.その他(      )
「I」の質問に 2 と答えた人

「II'」相談室を利用しない理由は…
□ 1.別に問題がないから。
  2.問題があっても自分で解決できるから。
  3.先生,友人,家族に相談するから。
  4.秘密がもれそうで心配だったから。
  5.行っても仕方がないと思ったから。
  6.その他(      )


「III'」相談室は悩み,その他の問題解決に…
□ 1.大変役にたつと思う。
  2.ある程度役に立つと思う。
  3.余り役立たないと思う。
  4.全然役に立たないだろう。
  5.分からない。
  6.その他(      )


「IV'」今後,何か問題が起こったら…
□ 1.相談室にすぐ行こうと思う。
  2.多分行くだろう。
  3.もしかしたら行くかもしれない。
  4.あまり利用する気がしない。
  5.絶対に利用しない。
  6.その他(     )

「V'」学校に相談室のあることについて
□ 1.生徒が,よりよい学校生活送るため,
   是非必要である。
  2.問題があってもなくても,カウンセリングを
   受けることは,よい経験である。
  3.あった方がよい。
  4.あまり必要ない。
  5.絶対いらない。
  6.その他(     )
    学年  組  番  氏名     学年  組  番  氏名
「VI」 相談室に対する希望・感想など気のついたことを何でも書いて下さい。

 カウンセラーに対して……



 相談室の雰囲気,設備のことなど何でも……



    学年  組  番  氏名
※ 学校相談心理学の展開,神保信一著,金子書房より引用

4 ま と め

 教育相談担当者に限ったことではないが,教師は,生徒ひとりひとりを個性豊かな人間として尊重し,愛すること,感受性が豊かであること,情緒が安定していること,たえず自己の向上を図ること,他教師と望ましい協力関係を作ることが大切である。このことは,ロジャースのいう「(1) 人間的な純粋・誠実な態度,(2) 無条件積極的尊重(受容),(3) 共感的理解で相談にあたれば,相手のパーソナリティは,必ず健全な方向へ変化していく」ということと同じような意味であり,相談における重要な鍵となっていることを忘れてはならない。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育センターに帰属します。