福島県教育センター所報ふくしま No.43(S54/1979.10) -021/034page

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アイデア紹介

V T R 資料テープ

郡山女子高等学校  横 田 敬 幸

 教育現場への VTR の普及は,めざましいものがある。
 今年の6月,県南地区高等学校(35校)に対して行ったアンケートによれば, VTR所有校は85%,1校平均2.5台の所有となっている。<VTR教材の活用>アンケート参照。
 ところが,テープの数は1校平均30本と意外に少なく,これでは1教科の学校放送を年間録画するのにやっとのことである。
 こんな状態から機器の普及の割りにはその活用は低調であると考えられる。この点について,なお,研究の余地が大きいといえる。
 活用を妨げている最大のものは,機器に見合うテープの不足であり,次いで,カリキュラムに沿った適切な教材が少ないということであろう。
 そこで,少ないテープを有効に活(い)かし,授業に役立つ VTR 資料テープの,集録の仕方を工夫してみたところ大変具合いがよいので紹介する。
 これは,番組の送り手からは叱られるかも知れないが,多くの番組の中から教材性(資料性)の高いショットを取り出してまとめただけのことで,徹底した TV の分断利用である。かってロールフィルムで使っていたスライドが,ワンカットとなり,16ミリが短尺,8ミリがコンセプトとなって,それぞれ驚く程の利用度に高まった。
 TV にもこの発想を持ち込んだのである。
 実際授業の中で,あの番組のあの部分(2〜3分)と,この番組の後半のこの場面をぜひ使いたいといった要求はしばしば起る。
 それを,そのまま実行すると2本のテープのかけかえ,頭出し,巻き戻しと,とうてい授業の流れに乗せ得るものではない。
 そこで,多くの番組の中から資料となり得る場面を集める。学校放送番組,教養番組,通信高校講座,一般番組,その他あらゆる番組の中から探すことができる。
 これを,下表のように,あらかじめタイトル(VTR 資料No.)次にテープカウンターの数字合わせのためのパターン(この画面が消えたところでインジケ一夕ーを0に合わせる。)を入れて,20分テープに順次ダビングしていくのである。
 そして,大単元別に数本,テープを用意をしておけば,その都度資料が増えてゆく。
あとで再生し,資料名,インジケ一夕ーNo,時間,簡単な解説などを付しておけば大変利用しやすい教材となる。

   V.T.R生物資料 No.1
インジケーター No. 資  料  名 時 間 備          考
000 クロレラ 35  
016 ミジンコ 14″  
021 ミドリムシ 1′.02″  
047 ゾウリムシ 1′.00″ 食胞,排出
070 アメーバー 1′.03″ 偽足,採餌,分裂
093 アオミドロ 27″  
103 ミカヅキモ 26″  
112 クンショウモ 21″  
119 ツツミモ 24″  
127 ボルボックス 44″  
143 アオミドロの接合 2′.40″ 接合管,原形質移動,接合子,発巣
319 減数分裂バッタ 2′.50″ 精母細胞の分裂
360 染色体電顕写真 1′.40″ ソラマメ根端細胞,走査電顕
383      


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