福島県教育センター所報ふくしま No.43(S54/1979.10) -020/034page

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イ 比率の差の検定
      〔 表6 事後テストの正答率および検定         (Z 0.05 =1.96)
〔表6〕事後テストの正答率および検定

  1. 結果の考察
     事後テストの結果において,平均値の差に有意差は認められなかった。比率の差の検定でも「語順」の問題15間中3間においてしか有意差が認められなかった。しかし全項目でわずかではあるが,実験群が統制群を上まわっている結果を得た。
     10(丸数字)に有意差が認められたのは,代名詞,指示代名詞に注意して指導をしたからであり,これは3(丸数字)においても統制群よりよい結果がでていることにもあらわれている。12(丸数字),13(丸数字)に有意差が認められ,15(丸数字)でも好成績をおさめたのは,語でなく語句を単位としてのsense groupの指導が有効にはたらいた結果であると思われる。

  2. 結 論
     事後テストの平均の差の検定に有意差が認められず,比率の差の検定の結果から必ずしも有効であったとはいえない。
     このことは仮説と検証計画の検討にあまさがあったし,事前,事後テストの問題も仮説の妥当性を検証できるほど十分なものでもなかった。しかし検証授業において,語順の習得を確実にするために「Read and Look−up」の手法を用いて,音読指導を強化したことにより,生徒の学習を活発にした。継続していけば効果も期待できると思われる。

5 反省と問題点

(1) 研究主題は日常の実践の中で何が問題になっているのか,問題点を明確につかみ設定しなければならないと思った。常に問題意識をもって授業にのぞみたい。
(2) 自作テストをもとに検証授業の効果をみたが,問題形式についてはもっと妥当性,客観性があり検証に耐えうるものでなければならないのに安易に作成してしまった。
(3) 主に音読指導の中で「Read and Look−up」の手法を用いて語順の定着を図ったが,検証期間が短かく十分な結果を出せなかった。これからも続けて研究をすすめ,効果的な変容がみられるよう努力していきたい。
(4) 研究の筋道,仮説の設定,問題点の把握,分析 データーの収集,処理,結果のまとめなど教育研究法を学ぶ機会をもててとてもよかった。今後の研究に役立てたいと思う。


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