福島県教育センター所報ふくしま No.43(S54/1979.10) -026/034page

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導案の中に位置づけたら,結果として,より実りのある事後研究のまとめができるか」について研究すべきである,として,次のような研究副主題と,それに対する仮説を設定した。
      (研 究 副 主 題)
「2−1−2方式の授業研究」における事後研究の段階において,
短時間のうちに効果的なまとめができるための学習指導案の研究

      (仮     説)
「2−1−2方式の授業研究」において,本時の授業と研究主題の関連を明らかにし,
授業観察の場面,視点,方法を位置づけた学習指導案を作成すれば,
事後研究の話し合いが焦点化され,まとめが効果的になされるであろう。

 このように研究副主題をしぼり,この仮説を検証するために,自由な発想のもとに,従来の形式にとらわれない,新しい形の学習指指導案づくりを目指すことにした。

7. 仮説を生かした学習指導案を求めて
 「2−1−2方式の授業研究」における研究授業の学習指導案の中には,「本時の指導目標の達成」だけをねらいとしたふつうの学習指導案の内容にプラスして,仮説に関するもの,
(イ)研究の意図や研究主題の解決策が明示されている。
(ロ)本時の授業と研究主題との関連が明示されている。
(ハ)授業観察の場面,視点,方法が指定されている。
これらが,文字通り“見えて”いなければならない。
また,一方では,
(ニ)観察の記録ができ,また,学習指導案の修正すべき点等に関する意見も記入できる。
ようになっていれば,さらに便利であろう。
 とすれば,研究主題が適格なものであることを前提として,(イ)〜(ニ)の内容を盛りこんだ研究授業の学習指導案は,どのような形式のものが,より有効適切なものであるかが問題になる。
 仮説を生かした,より有効適切な研究授業のための学習指導案を生み出すこと,これがわたしたちの当面の課題である。

8.研究計画
 この仮説は,果して有効なものであるかどうか。これを検証するために,次のような計画をたてた。
○ 6月〜8月 仮説を生かした学習指導案の研究
○ 9月〜11月 研究した学習指導案による研究授業の実施と仮説の検証。
授業研究は,社会,算数,理科,音楽,体育の五教科で各2〜3回実施する。
仮説の検証は,事後研究会での成果による
○ 12月 まとめ
紀要原稿執筆開始
○ 1月20日 紀要原稿完了
○ 3月 紀要完成

9.研究の現状
 7月2日,この仮説を生かした学習指導案による研究授業が,福島三小で実施された。この授業は,理科の第一回の研究授業で,結果はおおよそ満足すべきものであった。9月上旬には,算数と体育の第一回目の研究授業が予定されている。

4 おわりに

 本来ならば,ここに,現在わたしたちが考えている学習指導案の形式を掲げるべきであるが,紙数の都合上それができなかった。
 今後,できるだけ多くの実践例を積み重ねて,この仮説を検証していきたい。
 この研究の結果は,9.の研究計画で記したように本年度の紀要としてまとめる予定である。

(文責 渡 辺 十 三)


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