福島県教育センター所報ふくしま No.44(S54/1979.12) -004/034page
表4 目標とテストの範囲 小学年 第6学年 単元=明治からの世の中 小単元=明治維新 本時=文明開化
項 目 社会科目標 学年目標
(第6学年)単元目標
(明治からの世の中)小単元目標
(明治維新)本時の目標
(文明開化)下位目標 行動目標 下位目標行動 目標内容 ○社会生活についての基礎的理解を図り,我が国の国土と歴史に対する理解と愛情 ○(1)国家・社会の発展に貢献した先人の業績や優れた文化遺産につい ○開国以後,廃薄置県,四民平等などの明治維新の諸改革,国会の開設を日清,日 ○明治政府は,欧米諸国の諸制度や文化を積極的にとり入れて,近代化をすすめ, ○「文明開化」のようすを理解させ,「文明開化」が明治雄新の諸改革と結びつい ○「文明開化」のようすについて説明できる。 ○江戸時代と明治初期の人々の生活のようすがちがうことを指摘できる。 新の諸改革…。 できる。 指摘できる。 学習語句 ・廃藩置県・四民平等・明治維新・国会開設・日清・日露戦争・条約改正・国力の充実 ・欧米諸国の制度文化・近代化・産業や生活に大きな変化 ・文明開化・明治維新の諸改革 ・ざんぎり頭をたたいてみれば,文明開化の……。・洋服,洋傘,牛肉,洋館,ランプ,ガス灯,馬車・新聞,雑誌の発行(新しい考え方)帯刀の禁止,……・東京(銀座)横浜・西洋の制度,技術,生活のしかた テ
ス
ト形式的 総括的 不可能であり,この中から,さらにテストすべきものを抽出しなければならない。抽出にあたっては,偏りのないようにすべきであり,単元目標から推し量り,最も重要なものを精選しなければならない。
(2)テストの方法を考える
テストに信頼性・妥当性・実用性をもたせるには内容とともに方法が適切なものであり,客観的なものでなければならない。そのために,テストの方法についての認識を深め,適切な選択をしなければならない。
表5は,社会科における評価技術を示したものである。これを参考にテストの方法を考えて定める。
表5 社会科における評価技術
(日本社会科教育学会編「初等社会科教育概論」昭和45年 葵書房より)
評価対象 妥当すべき主要な評価技術 知 識 単純再生法,選択法,組合せ法,選択組合せ法,真偽法,序列法,訂正法等の客観テスト,論文体テスト 理 解 論文体テスト,客観テストの中の特に選択法,組合せ法,選択組合せ法,完成法 思 考 問題場面テスト,観察評定的技術 技能 図表の読み方理解や図書館技術など 観察評定的技術(チェックリストなど)、問題場面テストや客観テスト 会話討議の技能 観察評定的技術(チェックリスト等)、ゲスフーテスト 態度・習慣 価値観・意見・関心 質問紙法,作文,面接法 社会的道徳的態度 質問紙法,観察評定,面接法度等)、ゲスフーテスト 協力責任等の学習態度習慣 観察評定法(チェックリストや評定尺
テストすべき内容と選択した方法をマトリックスにまとめておけば,偏りのない的確なものになる。(3)テスト問題を作成する
テストすべき内容と方法を駆使して問題を作成する。この時,カード式にしておけば取捨選択も容易になるし,テスト用紙のレイアウトの際も都合がよい。カードの大きさは,テスト用紙の使い方によって,あらかじめ定めておき,さらには,目盛等をつけておくと便利である。
ペーパーテストの作成方法は,論文体テスト法と客観テスト法に分けられる。論文体テスト法の場合・は限定的な質問であり,採点の基準が明確であることが大切である。現在多く使用されているのは,客観テスト法であり,特に再認形式といわれる○×式テストであるが,作成上留意しなければならないことは,問題内容や答え方を明確に指示することであり,末梢的なささいな知識のテストにならないようにする・ことである。6. おわりに
講座では,このようにしてテストを作成したが紙数の関係で実例を紹介できないのは残念である。とにかく,テストの作成にあたって大切なことは,教材についての深い研究と指導計画立案時からのテストの作成である。これによって誤りのない,指導目標に密着したテストになり,授業も充実したものになるであろう。
参考文献
- 教師自作テストのつくり方 橋本重治
- 新・教育評価法総説 橋本重治
- 現代教育評価講座 高野尚好・梶田叡一
- 最新教育評価全書 橋本・肥田野直など