福島県教育センター所報ふくしま No.44(S54/1979.12) -008/034page
〔6〕 基盤
図9 部品配置図
・ ●印の穴(8.5Øキリ)6か所 ○印の穴(3.2Øキリ)36か所をあけ,ビスにラグ板をはめ,ねじ締めをする。
・ ドリルを使用し,穴をあける場合は,4つめキリで下穴をあけておく。
・ 穴の位置は,使用する部品,および,回路の配置によってくふうする。(図−9を参考に)〔7〕 材料表
表−2
No. 品 名 規 格 数量 1 ケース (250×210×60) 1 2 基 盤 塩ビ板(84×210×2) 3 3 トランス SH100(スガノ)10V=0.3A×2 1 4 ダイオード(D 1 〜D 7 ) IN 3194,100mA 7 5 コンデンサ(C 1 C 2 ) 50V 2μF 2 6 抵抗(R 1 R 2 R 3 ) 1/4W 10K 3 7 抵抗(R 4 ) 1/2W 120Ω 1 8 ヒューズホルダー 1A,100V 1 9 スナップスイッチ 2P 1 10 ネオンランプ(PL1〜5) 赤,橙,青,緑,黄 各1(5) 11 ツマミ K38(中) 2 12 ラグ 38こ 13 ビス・ナット 3.2Ø 38こ 14 平行ビニール電線 0.3Ø 2.5m 15 ACプラグ AC100V 1 16 ロータリスイッチ M62(アルプス)6回路2接点 l 17 ロータリスイッチ M34(アルプス)3回4接点 1 18 ジョンソンターミナル 黒1 赤1 2 19 エンパイヤーチープ 赤・黒・黄 各2本 20 メッチ線 0.5m/m 0.2Ø 2m 21 ゴムプッシュ 1 22 接着剤・ハンダ 若干 3. 使用法
(1)オシロスコープに接続し,波形を観察させる場合,波形だけにとらわれず,しくみとあいまって指導すれば,いっそうの効果が期待できる。
(2)交流波形と半波,全波のちがい,または,半波,全波と平滑波形の相異を,できれば二現象シンクロスコープで観察しながら学習を展開すれば,もっとも理想的である。(二現象シンクロスコープを活用するときは,装置の上ぶたをはずし,観察しようとする回路の+−端子に,ミノムシクリップリード線でシンクロスコープのそれぞれの端子に接続する。)
(3)ダイオードの整流作用については,半波整流回路のダイオードの方向を逆にとりつけるなどして,じゅうぶん指導することができる。
(4)波形を多くの生徒に,同時に観察させ,指導するときは,テレビカメラ等の利用をくふうすれば,より効果的である。
(5)平滑回路のコンデンサ容量とリプル電圧,フィルタ抵抗と,リプル電圧との関係など,各部品のはたらきを波形の観察を通して指導する。
写−7 二現象シンクロスコープとの接続4. おわりに
技術,家庭科において,実践的,体験的学習を基盤にして,その目標にせまる教科の性格が,新指導要領ではいっそう明確化された。
したがって,生徒にとって比較的難解とされる電気学習でも,視覚を通したしかめることによって,興味と関心を喚起させ,その概念形成へと導くならば,学習の成果は一段と高まるものと思われる。
本装置は,構造・原理が簡単で誰れでも製作でき,また,生徒の学習活動と教材を結びつける適切な教具でもあるので,指導内容を分析し,ねらいにそって活用すれば,本教材の理解と思考を一段と深めることができるであろう。
最後に,この教具が本教科の大きな目標である。「生活に必要な技術の習得に」微少なりとも機能することを期待したい。
<参考図書>
- 技術・家庭科教育選書 ダイオード・トランジスタ・編集 鈴木寿雄
- 電気理論の基礎学習 佐藤裕二
- 紀要33号 学習に関する研究,教育センター