福島県教育センター所報ふくしま No.44(S54/1979.12) -013/034page

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ア.諸活動の時間の活用
 諸活動の時間は 1.楽しく充実した活動をする場であり,何でも話し合える仲間づくりの中で意欲化をはかるとともに 2.学級指導の授業の計画へ参加させ,充実した授業を通して意欲化をはかることをねらいとした。

A 計画の日(火曜日)
  ○ 学校生活を楽しく充実させるために,1週間のいろいろな活動計画を立てる。
  • 学級指導の時間への心構え,資料作成や収集計画など。
  • 学級でできるスポーツ的活動・文化的活動について,実践の日に活動できる計画を立てる。
B 実践の日(木曜日)
  ○ 「計画の日」の計画にしたがって生活班を中心に活動する。
  • スポーツ的活動
       「日光街道突っ走ろうマラソン」,バレーボール,その他。
  • 文化的活動
       新聞づくり,趣味の発表,ひとりひと鉢の世話,その他

写真−日光街道突っ走ろうマラソン
        写真−日光街道突っ走ろうマラソン

C 反省の日(金曜日)
  ○ 楽しく充実した学級生活をおくるために,計画にしたがって意欲的に1週間すごせたかを反省し,新しい意欲づくりをはかる。
  • 1週間の生活の反省をグループごとにさせる。
  • 学級指導の事後指導にあてる。
D 反省と今後の課題
  ○ 学級指導の授業の「計画」への参加や,資料収集のための活動によって,生徒の態度が,授業面のみにとどまらず,広く物事に対するとりくみに積極さが見られるようになった。しかし,「楽しく充実した生活へ」は,時間的余裕がなく,とりくみは十分でなかった。
  ○ 限られた時間の中での活動なので,時間配分と運営の方法,準備はさらに吟味する必要がある。

イ.小集団活動を生かした学級の指導

A 小集団活動のとらえ方の確認
  ○ 生徒が楽しく学校生活をおくることができるよう,生徒自身が自発的に活動しうる「場」を設定することと,その「場」としての小集団活用。
  ○ ひとりひとりが自己実現をしていくことを援助指導できるのではないか。
B 小集団活動を学級指導へ生かす手だて。
  ○ 生徒が学級生活の中で,互いに認めあい,何でも話し合えるようなグループづくり。
  ○ 各自に必要なものの分析ができ,ひとりひとりの問題の解決へみちびくことができるような指導。
C 「諸活動の時間」の主体的運営
  ○ 52年度の反省に基づき,諸活動を本来の姿である生徒の生き生きとした,楽しく充実した学校生活や学級生活のための援助拍導の場となすべく,学級指導の授業とは一切関係を断ち,生徒自らの中で計画実践できるように配慮した。
D 実践経過と問題点
  ○ 学級運営委員会の時間の確保
    毎月の第1週の水曜日,諸活動30分の中に設定することにより,リーダーづくり,班生活の点検,教師の援助指導などの時間をどうするかの課題が解決され,「計画の日」の内容が明確化し,充実した「実践の日」が生徒自らの手で運営されるようになった。しかし,学校行事等により,「実践の日」そのものが計画倒れに終わってしまうことがたびたびあったことは否めない事実である。


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