福島県教育センター所報ふくしま No.44(S54/1979.12) -015/034page
- 教育相談ア.基本的な考え方
全校生徒を対象に学級担任を核とし,一人一人のよりよい適応をはかり,中学3年間の中で,個性,能力に気づかせ,意欲的な生活がおくれるよう援助する。
イ.個性・能力の基本的なとらえ方
各個人は形態上,機能上いろいろな特質をもっている。これらの多種多様の特質が有機的に関連し,独自のものを生みだしている。これが個性である。単に個人差でなく,能力,気質,性格等を含む統一体で,その人間固有のものである。能力には,ある作業を遂行する力としての素質的な面と教育的訓練で生みだされるものがあり,本校では,生徒にその先天的素質を理解させ,さらに後天的(獲得物)な面をどう気づかせ,伸長させるかを追求している。
ウ.はたらきかけの基本
人間の能力の発達には,無限の可能性があるといわれている。潜在的能力を引き出すために,一人一人の生徒の良さ,持ち味を教師の日常観察を土台に,客観的資料の中に見いだし,生徒に自己の個性・能力を気づかせ,全職員共通理解のもとに全領域にとりくんでいる。- まとめと反省
ア.観点項目の設定により努力事項へのとりくみに,目的意識が芽ばえてきている。
イ.この研究を通して全生徒と,全職員が一体となり,一つの方向を見いだしたことに意義があった。
ウ.相談活動をすすめる中で,個の理解はより深まったが,相談技術のむずかしさを知った。また,単に生徒指導は技術面の習得にとどまらず,その技術を生み出す基盤の正しい認識がさらに必要であることがわかった。
5.新しい課題「諸活動の時間」の充実
(1)基本的な考え方
ア.企画も実践も生徒の手で。
イ.レベルの高さは要求しなくても生徒の活動を生かす。
ウ.一人一人の生徒の意欲,活動上の良さを認め,伸ばす。
中心は生徒会である。生徒会の提案,計画を各学級で検討し,各学級単位でとりくめるようにする。
また,継続してきた「ひとりひと鉢の世話」「日光街道突っ走ろうマラソン」も生かしたい。さらに日常生活指導,学校行事関連活動,学年会関連活動,学習指導関連活動も要求された。
このような中で,以下のが展開されている。