福島県教育センター所報ふくしま No.44(S54/1979.12) -016/034page
(2)実践
ア.自主的な生徒の手による運営がなされない時,明確な目的のない単発的なレクリエーションになってしまう。学級運営委員会で,次月の「学級の日」の計画をきちんと立てるためにも,全校的課題でとりくむ実践活動をしっかり予定し,学級独自の時間を確保しておかねばならない。 →企画
イ.全学扱が,生徒会提案のもとに集中的にとりくめるような課題の検討が必要である。そのために生徒会への資料の提供が必要である。 →資料調査
ウ.組織 − 企画運営部,調査資料部
エ.2学期の活動
組織のたてなおし,新しい計画の作成,構想づくりと,具体的な活動を展開した。
校内活動の中心は文化祭である。学校行事から生徒会の手に完全に移行するわけにはいかないが,生徒の希望や意見を生かし,行事の一部については生徒が自ら計画を立て,意欲的に活動できるように援助することが大切である。以上をふまえて生徒と話し合った。○ 舞台発表としてのとりくみ
- 文化祭行事は,学校生活の総合発表とする。
- 中学生らしい展示発表とする。
- 全員参加であり,各学年学級,各人が,その特性を発揮する。
- 常に先生方と相談し,指導をあおぐ。
地域の父兄の協力も具体的になり,文化祭の中でも,バザーやソフトボールなど親子、で楽しむ場面がみられるようになった。このような中で,生徒会としては,学級ごとの舞台発表にとりくむことになった。
・ ねらい − 生徒達の発表の場とし,創造的な活動の機会とする。
・ 方 針 − 諸活動(学級の日)の時間を生かして計画的にとりくむ。
・ 大テーマ − 生徒会で提案する。
・ 小テーマ − 学級ごとに設定する。
・ 内 容 − 合唱,合奏,演劇
・ 名 称 − ザ・フェスティバル
オ.活動の経過
企画委員会の提案で,本年度,諸活動を生かして,9月以降は文化祭での生徒活動を盛りあげることになり,文化祭1日行事の流れを検討し学級発表を位置づけた。
月 日 曜 生 徒 会 運営委員会 学 級 8 未 役員会−
文化祭アンケートをもとにして原案討議9 3 月 役員会−
原案討議全校集会9 4 火 協議会−
原案討議係活動 9 5 水 文化祭原案討議
内容伝達
9月活動計画9 6 木 学級討議 9 11 火 学級討議
1. テーマ確認
2. 舞台発表内容決定9 13 木 3. 係決定 9 18 火 4.係ごとの活動 9 20 木 ・日光街道マラソン 9 25 火 奉仕部会−
9月の反省と10月の計画9 26 水 9月の反省と10月の計画 9 27 木 ひとりひと鉢のせわ 6.研究のこれから
今までの研究の積み上げの中で,生徒が諸活動のサイクルをよく理解し,自分たち自身の活動の場を大切にしようという意識がみられるようになってきた。「諸活動の時間」も大きく包含された時間へと移行してゆく。
その一過程であるが,今やろうとしていることが,すべて自分たちの糧になっていることを少しずつ,つかみとっているように思える。
今は始まったばかりである。生活設計,教育相談の「若葉ノート」,「日光街道マラソン」,日常生活基本の生徒心得,校庭の正面の山肌に刈りこんだ「心」の文字のもとで,中学生活を生き生きとすごさせるために,少しずつ,教師集団の努力がこれから展開されていくのである。